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vol.61

「新司法試験合格者を迎えての報告会」を開催

― 神戸学院大学法科大学院 長田キャンパス203教室 ―
開催日: 2011年10月1日(土)15時30分〜17時00分

「新司法試験合格者を迎えての報告会」を開催

第6回(平成23年)新司法試験で、本学法科大学院の修了生は38人が受験し、最終合格者1人でした。合格率が過去最低の23.5%という難関を見事突破し、合格された井高将斗さんの報告会が10月1日に長田キャンパスで行われました。

会場からの質問にも、ボードを用いて解説するなど丁寧に答える井高さん

会場からの質問にも、ボードを用いて
解説するなど丁寧に答える井高さん

昨年の報告会で合格者として出席された出羽さんからも激励メッセージ

昨年の報告会で合格者として出席
された出羽さんからも激励メッセージ

報告会は、実務法学研究科長の田中康博教授の挨拶でスタート。3度目のチャレンジで新司法試験に合格した井高将斗さんに、3年にわたる受験の詳細を語っていただきました。井高さんは、各受験に挑むにあたり、どのような受験対策をしてどのように課題を克服したかという内容を、レジュメに沿って報告されました。会場に集まった在学生や修了生は、井高さんの貴重な報告に熱心に耳を傾けていました。その後、在学生から受験勉強における1週間の学習内容の詳細や択一問題対策などに関して質問がありました。井高さんは、一つ一つに丁寧に答えていました。最後に、平成22年新司法試験合格者で、司法修習中の出羽徹さんからも、「新司法試験は、どれだけ自分の頭で考えることができるかが勝負。普段から、しっかり考える努力をしてください」とメッセージをいただき、報告会は終了しました。

合格者からのメッセージ

学習方法は人ぞれぞれ
真摯な態度で努力し続けることで道は開ける

井高 将斗 さん
2009年3月修了(標準3年)

井高 将斗 さん 2009年3月修了(標準3年)

私は、修了し、3回目の試験に合格するまで5年間本学に通い続けました。1年次生から、在学生の上位3位以内に入れば新司法試験に合格できるという信念のもと、朝の9時から夜中の11時まで正月の2日間を除いて毎日勉強。2、3年次生対象の答案練習会にも積極的に参加していました。いつしか私は周囲から“鉄人”と呼ばれるようになりました。

知識の量は増えるものの、一向に成績に反映されませんでした。3年次後期に同期の仲間とゼミを組むと、彼らとの明確な学力の差を認識させられることになりました。しかし、当時の私には、その差が何であるのかに加えて、その差を埋める方法も分からず、時間だけが過ぎていきました。そして、模試でぎりぎりの成績の末、初めて臨んだ新司法試験は惨敗でした。敗因は、先生方や合格を果たした諸先輩方に積極的に相談しなかったこと、また1、2年次生からゼミを組まなかったことにあると自己分析。2回目の受験に臨むにあたっての課題としました。

2回目の受験は、合格者から弱点を指摘してもらったり、先生方に答案の添削を依頼したりしました。その結果、覚えた知識を全部書こうとする点、回答内容の文章は表現力が乏しく抽象的で見る側に伝わりにくい点、実務感覚が欠如している点など、私が抱える問題点が明らかになりました。そうした課題を克服すべく、新聞の社説や判決書を音読、新司法試験の論文問題を題材にした講義や答案の添削に参加するなど、弱点の改善を図りました。

また、受験仲間以外に、法学の基本的な知識しかない1、2年次生にも自分の答案を見てもらい、彼らのレベルでも容易に理解できる答案が書けているかをチェックしました。そのほか、修了生が忘れてしまいがちな基本的な知識を再度確認するために、1年次生対象の講義に参加しました。

このように、準備を万全に整えたにも関わらず、2度目の挑戦もあえなく失敗。受験1ヵ月前から20年ぶりの喘息に襲われ、体調不良も重なり試験本番で2日間眠れず、満足な体調管理ができなかったことが大きく影響したと思います。しかし、それだけではなく、試験対策そのものも不十分でした。

そして、3回目の挑戦へ。受験最後の年は、背水の陣というプレッシャーと闘うため、まず、適度な睡眠やバランスの取れた食事など、体調管理を徹底しました。試験対策は、特定の科目に注力するのではなく、すべてをカバーすることを心がけました。社説や判決書を速読し、素早く要点を理解するトレーニングを行い、答案の文章理解のスピードアップを図り、知識を詰め込むのではなく、深く掘り下げて考えることを徹底しました。また、実務感覚を身に付け目的意識を明瞭にするため、法律事務所に3ヵ月通いました。

何より、3回目の受験では、試験に臨む気持ちに大きな変化がありました。それは、自分のためだけではなく、自分を支えてくれている他者のためにも合格したいと強く思えるようになったことです。親兄弟をはじめ、友人、教職員の方々に至るまで、自分を励まし合格を心から願っている人たちのために、合格しよう――。私を支えてくれている周囲の人すべてに感謝し、その期待に応えたいと思うようになったのです。
私は、3回目の受験で、ようやくその期待に応えることができました。

新司法試験に合格する方法は一つではありません。結局のところ、その方法は人それぞれ。私の場合は、先生方、先輩、優秀な同期など周囲の方々の意見を謙虚に受け止め、弱点克服のために一心に勉強し続けたことが勝因だと思っています。

私は、一所懸命努力する人が好きです。新司法試験には、そうした人物にこそ合格してほしいと願っています。皆さんも、真摯に努力し続け、必ず合格を勝ち取ってください。

研究科長からのメッセージ

合格するという強い意志を持ち
すべてのスタッフに感謝する気持ちが大事

実務法学研究科長 田中 康博

実務法学研究科長 田中 康博

以前、法科大学院のスタッフ全員と在学生とで懇談会を行った際に、警備員の方がスピーチで次のようなことを述べておられました。「今までの新司法試験に合格した修了生の方々は、学生時代皆さんきちんと挨拶をしてくれていました」と。ここで申しあげたいのは、挨拶をする学生、修了生が合格し、しない者は不合格になる、ということではありません。そうした感謝の気持ちが、試験に臨むにあたって非常に大切な要素であるという事実です。

私は、新司法試験に合格する人には共通点が二つあると思います。一つは、“絶対に合格する”という揺るぎない信念を持っていること。もう一つは、教員だけでなく事務や警備員、清掃員の方に至るまで、自分を支えてくれているスタッフに深い感謝の気持ちを抱いていることです。この二つは、本研究科修了生の合格者すべてに共通している点です。

新司法試験は、受験者がこれまで歩んできた年月のなかで形成された全人格、資質といったものがどこかで出てきてしまうテストなのだと思います。学習方法に関しては、人それぞれのやり方があると思います。しかしながら、試験に臨むにあたっては、こうした二つの要素を強く意識し努力してほしいと願っています。

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