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vol.31

學報トピックス

キッズオープンキャンパス

開催日時: 2009年11月21日(土)

兵庫県下の大学・短大で構成される「大学コンソーシアムひょうご神戸」の地域交流事業の一環として、今年も『キッズオープンキャンパス』が開催されました。これは、地域の子どもたちに大学を開放し、スポーツや芸術・文化などに関わる活動を通して、未来を担う子どもたちの健全育成に貢献しようとするものです。

キッズオープンキャンパス

「めざせ!おさかな博士」
8:00〜13:00 魚の棚商店街〜神戸学院大学 有瀬キャンパス

「魚の棚商店街」で魚に興味津津の子どもたち

「魚の棚商店街」で魚に興味津津の子どもたち

この日、最初に行った企画は、「めざせ!おさかな博士」。昨今において、家庭の食卓での魚離れが危ぶまれ、子どもたちへの食育が求められています。そこで、“魚を自分の手で料理して食べる”という基本的な作業を通じて、取り巻く環境や仕事、そして日本人の食習慣などについて、「みんなで楽しみながら考える機会」になればと、栄養学部の大畑仁美講師と文化会「ふ〜ばる. com」、サークル「神戸学院キッチン」のメンバーが企画運営しました。文化会「ふ〜ばる. com」は、日頃から定期的に地域の幼稚園、小学校などで食育活動を実践しており、子どもたちに食の大切さを伝えています。

大畑講師は、「食べることは、他の生物や自然や地球環境との関わりの中で続いてきたもの。そして、過去から現在、そして未来へとつながっているものです。豊かな時代に、豊かな国に生きる私たちだからこそ、食べることとは何か、食べるために人間がすべきことは何かを、みなさんと一緒に考えたい」と話していました。

魚の棚商店街で鮮魚を扱う「松庄」の松谷佳邦さんの講話

魚の棚商店街で鮮魚を扱う「松庄」の
松谷佳邦さんの講話

子どもたちと魚の棚を探検する大畑仁美・栄養学部講師

子どもたちと魚の棚を探検する
大畑仁美・栄養学部講師

魚のさばき方を実演する、サークル「神戸学院キッチン」の吉川美子さん

魚のさばき方を実演する、サークル
「神戸学院キッチン」の吉川美子さん

手作り道具でクイズ大会をする、文化会「ふーばる.com」の学生たち

手作り道具でクイズ大会をする、文化会
「ふーばる.com」の学生たち

本学のホームページやチラシを見て応募した小学生とその保護者約20名が、午前8時、明石市の「魚の棚(うおんたな)商店街」に集合。まずは、同商店街事務所で、魚屋「松庄」を営む松谷佳邦さんからお話を伺いました。話の前に松谷さんがバケツに放した生きた魚を見せると、子どもたちは、目を輝かせていました。そして、漁師の仕事から競りの様子や魚が店頭に並ぶまでの流通を、子どもたちに分かりやすく説明。夕方から早朝まで12時間にも及ぶ、命がけの漁や夫婦二人三脚での漁業生活の話に、子どもも保護者も熱心に聞き入っていました。

「大切なのは、食べる人。魚を売るために、魚を殺生する。命を取る魚に感謝する気持ちを忘れないでほしい。そのためには骨が多い魚を上手に残さず食べることが大切。漁業は大変な仕事なので、私たちは、少しでもおいしく食べてもらおうと思い日々商売をしている」と松谷さんは、参加者にメッセージを伝えました。講話の後、子どもたちからは、「魚の種類はどれくらいですか」といった質問も飛び出しました。

チームに分かれて魚の棚を探検

午前9時からは、タイ、サーモン、タコ、ニモという名前のチームに分かれ、大畑講師と学生たちが作成したワークブックを手に、魚の棚の探検に出発。全長約350mという商店街の店から店へ、新鮮な海の幸を見て歩き、魚屋の店の人と話しながらワークブックの質問に親子で回答。ずらりと並んだ珍しい鮮魚に、子どもも大人も感嘆の声を上げていました。「ふ〜ばる.com」のメンバーで栄養学部4年次生の小寺祥太さんは、「切り身ではない魚を初めて見たという子どももいた。大学を飛び出して地域の方々や子どもたちと触れ合うのは、とてもいい勉強になります」と話していました。

午前10時、バスに乗って本学・有瀬キャンパスに到着。今度は、新鮮な魚をみんなで調理して試食しました。13号館第4調理実験室では、サークル「神戸学院キッチン」の学生たちが準備を整えて待機していました。メインディッシュは、おにぎりサンド。キュウリ、レタス、タマゴ、そしてイワシのフライを、小松菜をまぜたご飯とのりでサンドするオリジナルメニューです。まず、栄養学部3年次生の吉川美子さんが鮮やかな包丁さばきで大きなツバスを3枚に下ろしました。子どもたちもイワシを自分の手でさばき、野菜を切り、味付けをし、真剣な眼差しで一つひとつの作業に取り組んでいました。約1時間後にでき上がったのは、イワシフライのおにぎりサンド、野菜たっぷりの味噌汁、サワラのもずく酢。また、デザートの蒸しパンケーキが学生たちからプレゼントされました。魚の棚の松谷さんが話した通り、みんな残さず、おいしくいただきました。

試食の後にはビデオ上映の他、学生たちの手作りの小道具を使ったクイズ大会も開催され、みんなで楽しみながら、魚の勉強をしました。大畑講師は「ぜひ家庭でも魚をメニューに取り入れて、自然な形で食育を実践してほしい」と話し、最後に、子どもたちに修了証を授与しました。

「神戸学院キャンパス探検−What shapes can you find?−」
13:30〜16:30 神戸学院大学 有瀬キャンパス

子どもたちに英語レッスンをする中西のりこ・経営学部准教授

子どもたちに英語レッスンをする
中西のりこ・経営学部准教授

年齢を超えて交流する、経営学部や人文学部の学生たちと小学生

年齢を超えて交流する、経営学部や
人文学部の学生たちと小学生

初めて出会った小学生と大学生が一緒になってキャンパスを探検

初めて出会った小学生と大学生が
一緒になってキャンパスを探検

子どもの活動の様子をパソコンで見る母親

子どもの活動の様子をパソコンで見る母親

午後からは、「神戸学院キャンパス探検−What shapes can you find?−」。子どもたちが学生と一緒に有瀬キャンパスを探検しました。丸、三角、四角──学内に潜んでいるさまざまな“形”を探し出し、それを英語で表現するというもの。経営学部の中西のりこ准教授、そして経営学部と人文学部の学生有志が中心になって企画運営を担当しました。

小学校における外国語学習の主な目的は、コミュニケーション能力の素地を養うというものです。しかし、教室内での英語レッスンは、知り合いばかりの閉じられた空間の中で、用意された語句や文の練習をするという安全なものになりがちです。そこで今回は、初めて出会う人と、実物を題材にして関わり合う機会を創出し、自発的なコミュニケーションを促すために企画されました。中西准教授は、「ものの見方や年齢が違う人との関わりを面白いと感じてもらえれば、将来、肌の色や言語が違う人と出会ったときに物怖じせず接することができるのでは」と話していました。

午後1時20分、家族連れの参加者約20名が11号館116B講義室に集合。子どもたちは保護者と離れて、学生とグループをつくります。まずは、中西准教授による英語レッスンで探検の準備。学生が夏休み中に撮影した様々な“形”の画像をパソコンの画面で見ながら、円は「サークル!」、三角は「トライアングル!」、長方形は「レクタングル!」と皆で声を上げました。最初は戸惑っていた子どもたちも、時間が経つにつれ、大きな声で発音するようになっていきました。

広いキャンパスをフルに生かした企画に子どもたちも大喜び

約30分のレッスンを終えて午後2時10分、いよいよ教室の外へ“形”を探しに出かけます。保護者のみなさんは教室で待機。というのも、このイベントにはちょっとした仕掛けがありました。探検中、子どもたちは見つけた“形”といっしょに記念撮影。携帯電話のカメラで撮影した画像は講義室のパソコンにメールで転送されます。送られてきた写真が画面に映し出され、保護者のみなさんは教室に居ながら子どもたちの活動を見守っていました。地面に映った円い影や、三角に見える椅子の脚。広いキャンパスの中から、様々な形が子どもたちの笑顔とともに送られてきました。約1時間の探検の後は、教室に戻って発表の準備。撮りためた写真を、パワーポイントを使って編集します。子どもを膝に抱えてパソコン操作するグループや、子どもにマウスを渡して学生が編集のサポートをするグループも見られました。小学生と大学生の共同作業です。

グループでの活動発表では、パソコンの画面に映し出された写真を見て、「What shape did you find?」などと中西准教授が英語で質問。それに対して、「サークル!」「トライアングル!」と元気良く子どもたちが答えていました。子どもたちと学生は、とても自然な雰囲気で打ち解けていました。

一緒にキャンパス内を探検した学生は、「小学生の視点が、自分たちが形を探したときの視点とは違っていて面白かった」と話していました。また、小学2年生の男の子と5歳の女の子を連れて、2つの企画を通して参加した保護者は、「午前も午後も、子ども心を刺激するような探検の要素があって、家族で楽しめました。勉強にもなりました。普段はなじみのない大学内に入れたのも良かったです」と感想を話していました。

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