1. 神戸学院大学
  2. 學報.net
  3. Topics
  4. 2007年度
  5. Vol.6 学生・教職員による新潟県中越沖地震救済ボランティア報告

Vol.6

學報トピックス

◆学生・教職員による新潟県中越沖地震救済ボランティア報告

― 2007年8月18日(土)〜20(月) 新潟県柏崎市 ―

7月16日午前10時13分頃、発生した新潟県中越沖地震では、11人の方が亡くなられたほか、家屋の倒壊や水道・ガス・電気などライフラインがストップするなど、柏崎市を中心に周辺地域に大きな被害をもたらしました。本学では、学際教育機構 防災・社会貢献ユニットとボランティア活動支援室、学生支援事務室が主体となって、学生ボランティアを募集。集まった学生23人と引率の教員・職員とともに、被災地でボランティア活動を実施しました。

新潟県中越沖地震が発生してから約2週間後の7月30日から2日間、防災・社会貢献ユニット長の前林教授と金芳教授・学生を含む4人が、被災地である柏崎市に先遣隊として現地調査を行いました。この調査では現地のニーズを把握し、後日現地入りする本隊の活動をより効果的なものにすることを目的としました。この結果、8月19日の現地での活動は、現地災害救援ボランティアセンターの要請に従い、学生は2組に分かれ、1組は仮設住宅に入居中の世帯を一軒一軒訪ね、瀬戸物セットを配布するチーム、もう1組は、仮設住宅周辺のコンビニやスーパー、銀行、病院などを記した仮設住宅周辺の生活マップを作成するチームに分かれ、それぞれの作業を効果的にすすめることができました。30度を超える炎天下の中での活動となりましたが、全員元気に活動を無事終えることができました。

災害ボランティアを経験して

防災・社会貢献ユニット 人文学部 人間行動学科 3年次生 柴田 真裕 さん

防災・社会貢献ユニット
人文学部 人間行動学科
3年次生 柴田 真裕 さん

私は今回、先遣隊とボランティア活動本体のどちらにも参加しました。先遣隊で被災地に入った時は、自分自身、被災地でボランティア活動を体験するのは初めてだったこともあり、古い木造住宅がぐしゃりと倒壊しているのを目の当たりにしてショックを受けました。先遣隊の後の、ボランティア本体での参加の際は、愛知県瀬戸市の生活協同組合から届けられた、お茶碗やコップやお皿など瀬戸物のセットを仮設住宅の住民に入居されたばかりの方々にお配りするチームに入りました。約250件の仮設住宅をグループに分かれてそれぞれの世帯にお配りするわけですが、全体的にお年寄りの入居者が多く、見ず知らずの人間が突然訪ねて、果たして受け入れてくれるだろうかと不安でした。しかし実際には、私たち学生が訪ねると、多くの方が快く迎え入れてくれました。お年寄りの中には、今後の生活についての不安をお話される方もたくさんおられ、震災のストレスが被災者の方々に大きくのしかかっているのを実感しました。自分たちにできることは、とにかく瀬戸物のセットをお渡しし、お話をお聞きすることしかなかったのですが、帰り際に「ありがとう」とたくさんの方に言っていただけたので、とてもうれしかったです。今回の被災地でのボランティア体験は、私にとって、社会に貢献することの素晴らしさを再認識する場となりました。

防災・社会貢献ユニット 法学部 法律学科 3年次生 野畑 勇樹 さん

防災・社会貢献ユニット
法学部 法律学科
3年次生 野畑 勇樹 さん

私の場合は、8月18日からのボランティア本体の活動に参加し、仮設住宅周辺の生活マップを作成するチームで活動しました。この生活マップは、離れた地域から仮設住宅に入居している方のために、どこにスーパーやコンビニ、銀行のATMや病院などがあるのか、生活するのに欠かせない施設の情報を周辺住民の方への聞き取り調査を行い地図にまとめるというもの。私たちは、いくつかのグループで山側と沿岸部に分かれ、周辺地域のお宅を1軒1軒訪ね回ってヒアリングを実施しました。私たちは、防災・社会貢献ユニットの授業の中で防災マップ作りの実習を行っていたので、その時の経験が今回のマップ作りに生かされたと思います。ただ、実際に調査を行う前は、被災して大変な状況の中、住民の方が協力してくれるだろうかという不安がありました。しかし、快く対応していただき詳細に説明していただけただけでなく、「大変だけどがんばって」「ご苦労さん」という励ましの言葉をたくさんいただき、逆に、私たちが励まされ恐縮してしまうほどでした。今回の災害ボランティア活動で実感した事は、過去の震災のVTRとか資料などでは学べない、実体験を通じてしか分からなかったことがたくさんあるという事です。今後も、被災地に対して継続的なボランティア活動を行っていきたいです。

学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
金芳 外城雄 教授  (先遣隊隊長)

■仮設住宅の入所者の方に配る瀬戸物を、セットにする作業からスタート

■仮設住宅の入所者の方に配る瀬戸物を、
セットにする作業からスタート

■最初は緊張していた学生も、入居者のお年寄りと談笑できるまでに

■最初は緊張していた学生も、入居者の
お年寄りと談笑できるまでに

■炎天下の中、生活マップ作成のためにほぼ1日中仮設住宅エリアを調査

■炎天下の中、生活マップ作成のために
ほぼ1日中仮設住宅エリアを調査

■作成した生活マップは、ボランティアセンターに置いてもらうことに

■作成した生活マップは、ボランティア
センターに置いてもらうことに

■学生が丹念に聞き取り調査をして一日がかりで作成した生活マップ

■学生が丹念に聞き取り調査をして一日
がかりで作成した生活マップ

私は、先遣隊隊長としてメンバーとともに被災地に入りました。被災地の印象としては、復興速度が極めて早い、ということです。災害対策本部やボランティアセンターも活発に動いており、ボランティアの受け入れ態勢も万全でした。これは、ここ3年あまりで新潟県中越地震、能登半島地震など周辺地域で立て続けに大きな地震が発生しており、これら被災地で陣頭指揮にあたっていた方々がスタッフとして支援されたから、というのも大きな要因のように思います。また、私たちが神戸からボランティアに来ているということで、被災者の方々には震災という共通体験を共有した者同士という感覚を持っていただくことができ、概ね快く受け入れていただけたようです。そうした現地の初動体制が非常に整ったなか、本学学生たちもスムーズにボランティア活動を行えたと思います。特に、防災・社会貢献ユニットの学生にとっては、日頃の学習を実体験の中で生かすことができた貴重な経験になりました。なお、この事前調査の際に8月の神戸市民を対象とした「神戸市民夏季防災大学」の際に集まった市民の皆さまからの募金ならびに学生が行った街頭募金活動による募金34万円を義援金として柏崎市に直接お届けしたことをご報告いたします。今後とも継続的した支援が行えるよう、皆さま方のご協力をお願いしたいと思います。

学生支援グループ ボランティア活動支援室
川口 謙造

今回の柏崎市への学生ボランティアの派遣は、新潟県中越沖地震が発生してからかなり早い段階で決定されました。これは、2006年度に「災害時に大学としてどのような活動を行えるか」をボランティア活動支援実行委員会(委員長・奥西栄介社会リハビリテーション学科准教授)にて協議を重ね、学生派遣の迅速な意思決定及び旅費の補助、教職員の引率等、大学の支援方策をまとめていたことが要因です。

今まで、水害や地震などの被災地で学生有志及びボランティア団体が自主的に活動を行っていましたが、大学が主催として公募し、派遣するのは今回が初めてのケースです。夏期休業中で、なかなか事務手続きがスムーズにいかなかったことなど反省点もありますが、学生たちが大きなアクシデントもなく無事に活動を終えることができてホッとしています。今後、災害が起きた時、派遣の範囲等をどのように設定するかなど課題がありますが、大学としては、今後も学生ボランティアをいつでも派遣できるような支援体制作りを進めていかなければならないと考えています。

学際教育機構 防災・社会貢献ユニット ユニット長
前林 清和 人文学部教授  (本隊隊長)

今回のように、学生たちが災害ボランティアの活動を行うことは、被災地の方の力になれるということだけでなく、教育的見地からも大変重要であると考えています。活動を終えた後、教職員を含めて約3時間反省会を行い、活動を終えての感想や反省、今後の課題などを一人ひとり発表したことも、そうした考えに基づいてのことです。同時に、被災地での活動を通じて、学生たちに、社会における人間関係の構築の仕方を学んでもらいたいという思いもありました。人間関係には、利害関係のあるつながりと利害関係のないつながりがあり、両方とも社会を生きて行くために必要な関係です。ただ、前者は社会へ出て働きさえすればいやでも自然に構築されますが、後者の場合は家族などを除いてそう簡単に作れるものではありません。そういう意味で、今回のような活動を通じて、心の通った人間関係を社会の中で築くことができたということが、学生たちにとって一番よかったことではないかと思います。また、今回の活動を行う中で、いくつかの学生ボランティアの団体と出会いました。彼らのような団体と、今後、全国的な災害ボランティアのネットワークを築いていきたいと考えています。災害は、いつ、どこで起こるか分かりません。そのためにも、協力関係を密にし、災害が発生した時はお互いに助け合ってすぐに行動を起こせる体制を作っておきたいですね。

學報.net

ページトップへ