1. 神戸学院大学
  2. 學報.net
  3. in Focus
  4. 2013年度
  5. 2013年10月 地域に愛され支えられるアメフト・ジュニアチームを育成

2013年10月
地域に愛され支えられるアメフト・ジュニアチームを育成

神戸学院大学のSocial in 〜地域社会とともに〜 地域に愛され支えられるアメフト・ジュニアチームを育成。 甲斐 正一 神戸学院大学「NAVY SEALS JUNIOR」ヘッドコーチ

神戸学院大学は2012年4月、大学直属のアメリカンフットボール・ジュニアクラブ「NAVY SEALS JUNIOR」を設立した。大学が施設・用具・人員などすべてを提供するアメフト・ジュニアクラブは、日本では例を見ない試みとして注目されている。発起人でヘッドコーチを務める甲斐正一さんに、NAVY SEALS JUNIOR設立の目的や活動内容、今後などについて聞いた。

アメフトを通じて地元地域に貢献

大阪フィルハーモニー交響楽団

「NAVY SEALS JUNIOR」の設立は、神戸学院大学が力を入れている地域連携・地域貢献活動の一環。「アメリカンフットボールを通じて、地域の子どもたちが、健康で明るく、人間的にも成長していくこと」が目的で、ヘルメットやショルダーパッドなどの防具類もクラブから貸し出すなど、地域の子どもたちが参加しやすい環境を用意している。

甲斐さんがNAVY SEALS JUNIORを設立しようと考えたきっかけは、1995年の阪神・淡路大震災。「自分が選手やコーチとして関わってきたアメフトを通じて、何か地域のためにできることはないかと考え続けてきました。また神戸学院大学アメフト部『NAVY SEALS』は、従来から神戸市内の小学生を指導する機会が多く、ジュニアクラブを作ることは夢でもありました。大学との折衝を経て昨年、学長や教職員の皆さんの多大な協力で、念願だったNAVY SEALS JUNIORを開設できた時は本当にうれしかったです」。

現在、NAVY SEALS JUNIORに登録しているのは、小学1〜6年までの13人。日曜日の午前9時から正午まで、神戸学院大学・有瀬キャンパスの第6グラウンドに集まり、雨天の日でも、パスやキックなど、基本の練習に熱心に取り組んでいる。

小学生と大学生の良い関係を構築

コーチを務めているのは、甲斐さんの他に、神戸学院大学アメフト部のOBや、クラブの小学生たちの父親(アメフト経験者)たち。神戸市医療センター西市民病院のドクター2人が、子どもたちのメディカルチェックを担当しているほか、体育会系クラブ「学生トレーナー部」の学生1人が自ら志願してトレーナーとして参加している。また大学アメフト部の現役選手たちも、甲斐さんを含むコーチ陣の指導補助として積極的に練習に加わっているという。

「大学アメフト部の学生たちは地域の子どもたちとの交流に慣れていて、指導も非常に上手です。そして合同練習などを通じて、子どもたちは大学の選手たちにあこがれを持ち、すっかりNAVY SEALSのファンになっています。NAVY SEALSの試合には子どもたちが応援に駆けつけるなど、小学生と大学生の良い関係ができつつあるなと感じています」。

フェアプレー精神を学んでほしい

このNAVY SEALS JUNIORは、勝利がすべてではないとするチェスナットリーグ(日本少年アメリカンフットボールリーグ)に加盟しており、「子どもたちにはスポーツマンシップやフェアプレー精神を学んでほしい。練習や試合を通じてリーダーシップや協調性、勇気なども身につけてもらえたら」と甲斐さん。NAVY SEALS JUNIORの活動が年間9カ月で、1月・2月・7月の3カ月をシーズンオフとしているのも、勝利至上主義ではないチェスナットリーグの理念を反映させたもの。「決してスーパースターを育てる技術育成の場ではありません。フットボール漬けにならず勉強や他の活動にも熱中してほしいと思っています」。

チェスナットリーグが推進する少年アメフトは、一般的なアメフトとは異なる、タッチ式のフットボール。安全面を考えて小・中学生にはタックルが禁止されている。また非常にユニークな「36ポイントルール」があるという。「前半得点が36点以上、前後半で64点以上の差が出た時点でゲームは終了し、リードしているチームが敗者となります。そのため前半得点が36点に近くなると控え選手をどんどん投入します。普段なかなか活躍の機会がない選手たちにとって絶好のチャンスとなります」。

ジュニアチームのファンを増やしたい


子どもたちを指導するうえで甲斐さんが大事にしていることは、「決してあきらめないという精神力ですね。体調への配慮は必要ですが、つらくても頑張って最後まで練習してほしい。不利な試合でも足を止めずにボールを追いかけ続けてほしい。あきらめないという気持ちは、どのような世界にもつながっていくと思います」。

今年8月には1泊2日の合宿も実施した。「暑い中での練習を乗り切り、子どもたちは非常に成長しました。共同生活によりチームワークや仲間意識もできたと思います。各ポジションにおけるリーダーシップも芽生えてきたようです」。

NAVY SEALS JUNIORの今後については、「5年計画でチームの発展を考えています。初年度はチームの結成で、2年目はリーグ戦に参加することが目標でした。3年目となる来年は、中学生チームの発足を目指しています。間もなく卒業する現在の小学校6年生を含めて新規募集したいと思っています。4年目は、その中学生チームが試合に出られるよう指導し、最後の5年目には小学生のチアリーダーを作りたい。神戸学院大学のチアリーダー部の卒業生に協力を求めているところです」。

そしてNAVY SEALS JUNIORの活動の最終目標は、神戸学院大学有瀬キャンパスが立地する神戸市西区に、アメフトを広く普及させていくこと。「そのためにもNAVY SEALS JUNIORを本格的なチームとして育成し、神戸学院大学アメフト部と共に、その存在と活躍を広くアピールしていきたい。子どもたちや学生を支援してくださる地元ファンを、もっともっと増やしていきたいですね」。

プロフィール

1975年3月、関西大倉高等学校卒業。同校在学中はアメリカンフットボール部に所属し、3年次に大阪府代表として全国大会に出場。同年4月、神戸学院大学経済学部経済学科入学。アメリカンフットボール部所属。4年次には主将として、関西学生アメリカンフットボール1部リーグに昇格。79年3月卒業。卒業後はコーチ、ヘッドコーチ、アドバイザーを経て、現在、本学アメリカンフットボール部ディレクター。2012年4月より神戸学院大学アメリカンフットボール・ジュニアクラブヘッドコーチ兼任。

ページトップへ