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2012年1月
紙芝居や人形劇を上演する「ボランティアクラブ」を創部

神戸学院大学のSocial in 〜地域社会とともに〜紙芝居や人形劇を上演する「ボランティアクラブ」を創部 子どもたちを相手に人形劇や紙芝居などを上演するボランティアクラブの創始者。当初は上演作品のシナリオを自ら書くなどして学生たちを強力にサポート。現在は名誉顧問として部員たちの活動を見守っている。 宮本善弘 S.S.W名誉顧問 学校法人神戸学院 内部監査室 監査役 監査室長

学生にいろいろな体験をさせるため各地を巡回公演

宮本善弘 S.S.W名誉顧問 学校法人神戸学院 内部監査室 監査役 監査室長
宮本善弘 S.S.W名誉顧問 学校法人神戸学院 内部監査室 監査役 監査室長

児童館や保育園などを定期的に訪れ、人形劇や紙芝居などの公演やゲームを行っているのが、神戸学院大学のS.S.W(Student of Social Worker)。課外活動団体・文化会所属のボランティアクラブで、発足したのは、ボランティアという概念が現在のように社会で定着していなかった1969年。42年という長い歴史を物語るように、部室には、過去の公演で使用された、たくさんの紙芝居や人形、小道具などが棚や床にズラリと並べられている。

このS.S.Wの生みの親が、現在も名誉顧問として活動を温かく見守る宮本善弘さん。神戸学院大学に就職したわずか半年後、学生たちに目的意識を持たせようとS.S.Wを立ち上げ、紙芝居や人形劇を演じるボランティア活動を開始した。「実は私自身が出身地である愛媛県の高校で、ボランティアクラブの部長をしていたのです。周辺に点在する小さな小学校を巡回して、子どもたちを相手に人形劇や紙芝居、ゲームなどをしていました。その体験をベースに、当時、宿舎が一緒だった学生数人に声をかけてS.S.Wの活動を始めました」と宮本さん。その後、友達が友達を呼ぶ形で部員数が増えていった。「人形劇は舞台を作るのが大変なので、まず手描きの紙芝居と、幼い子どもたち向けのゲームから始めました」。今と違い当時のボランティア活動は市民権を得ておらず、反体制的見方をされる中で、自らの人脈を駆使して少しずつ活動場所を広げ、へき地の小学校や児童養護施設など、多様な施設を訪問していたという。

公演を見る子どもたちの姿から大切なことを学び取る

宮本善弘 S.S.W名誉顧問 学校法人神戸学院 内部監査室 監査役 監査室長

S.S.Wは途中、部員数が激減し休部や廃部を考えるという試練にも見舞われたようだが、現在は男子学生が22人、女子学生が7人の計29人が所属。夏休みを利用した巡回公演、子どもたちが心待ちにしているクリスマス公演、大学祭やダイヤモンドフェスティバル(文化会成果発表会)での公演など、1年間の予定がギッシリと詰まっている。また公演では全部員がそれぞれの役柄を演じるため、練習は常に全員参加が前提。有瀬(神戸市西区)とポートアイランド(神戸市中央区)の二つのキャンパスで学ぶ部員たちが、月・木・金の週3日、練習を重ねている。さらに人形劇や紙芝居のシナリオも学生自身のオリジナル作品で、これもクラブ内で議論しながら全員で物語を練り上げていくという。

「毎年同じ児童館や保育園などを定期的に巡回しているので、1年前と同じものは演じられません。年にだいたい3作ずつ、S.S.Wオリジナルの作品が登場します」。もちろん人形や紙芝居の絵、その他の小道具も全て学生による手作り。そのため公演の3〜4カ月前から準備を始める必要があるという。

「昔も今も巡回公演などは決して楽ではありませんが、学生たちは自分たちの公演に目を輝かせる子どもたちの姿から多くのことを学び取ります。たとえば阪神・淡路大震災の時、私たちは避難所を訪れて人形劇や紙芝居を上演したのですが、震災で心が傷ついている子どもたちは集中して見続けることができませんでした。被災地などでは子どもたちを集中させるより、一緒にゲームなどを楽しんで心を解放してあげることが大切なのだと、学生だけでなく私自身も学びました」

ボランティア活動は常に「楽しく気持ちよく」が基本

阪神・淡路大震災が起きた1995年は日本におけるボランティア元年といわれ、国をあげてボランティア活動が推奨された。今は大学などの教育現場にも、積極的にとり入れられている。「しかしボランティアというのは、あくまで自発的な活動であることが基本。人間なら誰でも社会的に弱い人や困っている人を助けたいという気持ちを持っています。それを行動に移せるかどうか。またボランティア活動には決して代償を求めない奉仕の精神が必要です。S.S.Wの学生もボランティアという意識では活動していないはず。自分自身が子どもたちと一緒に楽しく遊び、それが結果としてボランティアになっているのだと思います。ボランティアは楽しく気持ちよくやらないと」。学生がボランティア活動に取り組む意味については、「大学時代に勉強やアルバイトだけでない何かを一生懸命にやることは非常に大事。そこから得たものは卒業して何年も何十年も経て気づくものですし、人生に対する自分の考え方の底辺をしっかりと支えるものが養われるのではないかと思います。S.S.Wも、プロではないのですから、人形劇や紙芝居などの上手下手でなく、真剣に打ち込む姿勢を私は重視しています」。

現在、クラブの顧問は若手職員に任せ名誉顧問となったものの、合宿などには必ず参加して学生たちをサポートしているという宮本さん。S.S.W活動を今後さらに発展させていくためにも、「子どもたちと一緒に楽しい時間を過ごせる、たくさんの『お兄さん、お姉さん』的学生に入部してほしいですね」と話す。

プロフィール

1969年3月大阪商業大学商経学部卒業。同年4月、神戸学院大学事務職員となる。その後S.S.Wを創部。1991年4月から財務担当次長。1993年4月から総務担当次長。2003年4月から事務局長(常務理事)。2007年4月から監査役。

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