東日本大震災復興支援のこれまでの歩みと成果フロントライン

神戸学院大学による東日本大震災復興支援のこれまでの歩みと成果
神戸学院大学は、2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生した翌日、岡田豊基学長を本部長とする「東日本大震災災害支援対策本部」を設置。3月18日には、兵庫県が実施する「東北地方太平洋沖地震ボランティア先遣隊」に参加し、松島市内の避難所などで現地視察を行いました。
それから3年。大学が実施した復興支援活動に参加した学生ボランティアの延べ人数は約770人、教職員を合わせると総勢約1,000人にもおよびます。

被災地へ赴くだけでなく地元・神戸からも発信し、さまざまな復興支援活動を継続して実施

神戸学院大学は、復興支援活動のテーマを『つなげよう東北の明日へ』と設定。学生や教職員が自発的に関わることで、被災者や被災地の復興につなげる活動を行うと同時に、学生自身の成長にもつなげたいとの想いでスタートしました。

学生の復興支援活動の柱となるのは、ボランティアバス、通称“ボラバス”。バスを1台貸し切り、有瀬キャンパスと訪問先である宮城県石巻市と名取市の仮設住宅を、片道13時間かけて往復し活動を行うプログラムです。定員は20名で、週末を使って実施。震災の初期には泥かきや炊き出しなどの緊急支援を行い、状況が落ち着くに従い、主に仮設住宅で住民への日々のサポートやケア、子どもたちとの交流などを中心に活動を行うようになっています。

そのほか、被災地で実施する主なプログラムとして、現地のニーズを踏まえたきめ細かな復興支援活動を行う少人数滞在型プログラムがあります。また、被災地だけでなく、神戸でも復興支援活動を実施。仮設住宅の住民や現地の大学生を神戸に招く神戸招へいプログラム、現地企業の現状を知り支援する東北応援物産展を開催するなど、活動は多岐に渡ります。

復興支援のなかで学生自ら企画・実施する活動「野望プロジェクト」

大学主催のボランティアバスだけでなく、学生自身が活動内容を企画し実施したい―。経済学部3年次生の藤井一樹さんが中心となって実現した復興支援活動が、「野望プロジェクト」です。まず、有志で集まって自費で現地調査を敢行。仮設住宅の住民に十分なヒアリングしたうえで、職員のアドバイスも受けながらプログラム内容を何度も練り直して企画。2013年10月には第1回目の活動が被災地で行われました。

発案から調査、企画、実施まですべて学生の手で運営されている「野望プロジェクト」。復興支援活動のなかで生まれた、本学のボランティア活動の新たな形として注目されています。

Message


神戸学院大学 ボランティア活動支援室 川口 謙造

復興支援の志を次の世代につないでほしい

本学の東日本大震災復興支援は、被災地の復興が最優先の課題ではありますが、学生の自主性や成長を促すという大きな目的があります。そのため、学生の成長につながるような多彩なプログラムを組み込んでいるのが特徴です。

元々は、ボランティアバスという20名の大所帯で被災地に向かい、仮設住宅で住民のお手伝いをするというところからスタートしました。しかしその後、「住民のニーズを満たすには少人数でじっくりと滞在して活動した方がよい」、あるいは、「被災地の方を神戸に招いてともに大きな震災を経験した者同士の交流を図った方がよいのでは」など、より多様な方向へと広がっています。また、復興支援活動の経験を重ねた学生が自主的に活動する「野望プロジェクト」のようなプログラムも生まれるまでになりました。今後、大学が新たなプログラムの導入を図ることはもちろんですが、こうした学生の自主的で主体性のある活動が増えてほしいと願っています。

学生は4年間で卒業してしまいます。そのため、プログラムを次の世代に引き継ぎ永続させていくことが、大学での復興支援活動に一番求められること。学生たちが、復興支援活動を継続している神戸学院大学の学生であることを強く認識して先輩から志を引き継ぎ、そして自分たちで今度は新たな活動を生み出していく。こうしたサイクルを今後も継続してほしいと思います。学生には、大いに期待しています。

神戸学院大学による東日本大震災復興支援のこれまでの歩みと成果
  • Project1:少人数滞在型プログラムを実施
  • Project2:大学生の神戸招へいプログラムを実施
  • Project3:水産加工企業へのインターンシップと東北応援物産展の開催

【学生による復興支援報告会】『東日本大震災復興支援と学生ボランティアの可能性』を開催


フロントライン 一覧