飛躍する部活動(1) ソフトボール部フロントライン

神戸学院大学発「元気宣言」 自己を高める元気

2年連続の全日本大学選手権への出場決定に続いて、第20回兵庫県知事杯争奪兼第57回全日本総合兵庫県大会で5年ぶりの優勝を果たした男子ソフトボール部と、春季リーグ戦で劇的な逆転優勝を飾り、念願の1部リーグ昇格を決めた女子バレーボール部の活躍は、今年上半期の本学課外活動シーンのハイライトでした。いちばん「元気」だった両部の代表が、目標達成に向けた努力と喜びを語ってくれました。

自分のためだけでない部活動
だから「優勝」が大きな目標になる

ソフトボール部主将
西角和馬さん(経営学部4年次生)

2年次生のときから4番を打つ西角さん。細身で華奢な印象ですが、通算ホームラン数は50本を超える。昨年の秋季リーグでは規定打席にわずか1打席足りなかったものの、6割という驚異的な打率を残しました
2年次生のときから4番を打つ西角さん。
細身で華奢な印象ですが、
通算ホームラン数は50本を超える。
昨年の秋季リーグでは
規定打席にわずか1打席足りなかった
ものの、6割という驚異的な打率を
残しました

今年度上半期、ソフトボール部は二つのハードルをクリアすることができました。2年連続で全日本大学ソフトボール選手権大会(インカレ)への出場を決めること、そして、第20回兵庫県知事杯争奪ソフトボール大会兼第57回全日本総合ソフトボール選手権兵庫県大会で5年ぶりの優勝を果たすこと。部として、このような結果を出せたことはよかったし、個人的にも嬉しかったのですが、それよりも、役目を果たすことができたという、安堵の思いが強かったです。

部の最終的な目標は、全日本大学ソフトボール選手権大会で優勝することです。本学ソフトボール部は今年で通算21回目のインカレ出場です。過去の最高成績は全国3位が4度、この大会で頂点に立つことが、創部以来の目標です。近畿で勝ち抜くことができ、その目標にチャレンジする権利を得ることができました。

21回目のインカレですが、実は、初出場の年から19回目までは連続出場をしており、出場するのが当然でした。それが、一昨年に途切れてしまいました。ずっと1部リーグだったのが2部に降格し、インカレにも出場できませんでした。2部から1部に復帰し、インカレへの出場権を勝ち取ることができたのが、昨年の春リーグです。先輩方が続けてこられた記録を止めてしまった悔しさ、もう一度立て直していかなければならないという強い思いがありました。

リーグ戦は、春と秋に2回行われ、毎年秋季リーグで4年次生が抜け、新チームとしてスタートを切ります。私が主将を任されたのは昨年の秋からです。上記の通り、春季リーグで1部昇格したので、チームも、私自身も、初めての1部リーグでの戦いでした。優勝を目標に掲げたのですが、初戦で大敗しました。7対1というスコア自体もそうですが、内容もボロボロで、まったく力を出せないままの惨敗でした。

その原因は、チーム内の意識の違いでした。メンバー一人ひとりと話すうちに、私たち上級生と後輩たちとの間に、大きな意識のずれがあることが分かりました。

私が入部したとき、ソフトボール部は2部リーグに所属し、インカレの連続出場も途切れ、苦しい時期でした。それがやっと復帰でき、秋季リーグは学生生活で最後の1部のリーグ戦です。私たちにはここで結果を出さないと、という強い思いもありましたが、後輩たちは自分たちが楽しむことが一番だと考えていたのです。

意識の違いを知った時は戸惑いましたが、同時に、目標の押しつけをしていたのではないかという反省もありました。私が1年次生のとき、先輩方は負けたときの責任は持つからと、のびのびと自由にプレーさせてくれていたことを思い出しました。誰のために部活をやるのか、後輩たちの自分のためにやっている、という考えは、かつての私自身の考えでもあったのです。

その年の秋季リーグで、優勝することができました。部員とのコミュニケーションが、どれほど寄与したか分かりません。しかし、優勝という結果を得たことで、本当に全員の意識が一つになり、チームが変わったと感じます。

間近に迫ったインカレが終われば私たちは引退し、後輩たちが新チームでスタートします。大学やOBの方たちをはじめ、周りの人にいろいろな形で支えてもらい続けたソフトボール部での4年間は私にとって、貴重な勉強の場になったと思います。自身が上級生になり後輩がひと学年ずつ増えていくごとに、周りを見る力がついたと思います。また同時に、周りから見た自分を、意識するようになりました。

最後の夏を精一杯プレーし、あとは頼もしく成長した後輩たちに託したいと思います。

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