世界編1フロントライン

神戸学院大学の「自分発見」「成長ストーリー」 世界編【1】

本学の学生たちは、世界に飛び出し、学修という枠を超えて復興支援や文化交流体験をしています。世界各地の人たちと交流し、さまざまな経験を積むなかで、新しい自分を発見し、グローバルな視野を育み、異文化理解力を養った学生たちを紹介します。

世界編1「平成22年度日中韓青少年交流事業」に本学学生が参加

日中韓青少年交流事業は、「21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS)」の一環として実施されるもので、交流を通じて友好と相互理解の増進を図ることを目的に開催されています。2007年8月にスタートした交流事業は今年で4回目を迎え、7月20日~27日の日程で中国を舞台に行われました。

交流事業で「人と人との出会いの尊さ」を痛感
この成果を国際理解教育に生かしたい。

人文学部人文学科3年次生
学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
橋本 晃一 さん

人文学部人文学科3年次生 学際教育機構 防災・社会貢献ユニット 橋本 晃一 さん

高校時代から国際協力について興味があり、その活動に自ら進んで参加したいと考え、防災・社会貢献ユニットでの学びを選択しました。その一環として日中韓青少年交流事業への参加を志望し、メンバーの一員に選ばれました。出発前の結団式で、日本代表団100名はA~Gの7つのグループに分けられ、Cグループに配属された私は、このチャンスを最大限に生かしてより大きな成果を得たいと思い、自ら志願してリーダーを務めることにしました。英語に自信がなかったため、当初はコミュニケーションもままならない状況でしたが、言語や文化の壁を越えて存分に交流できたと思っています。今回の事業を通して痛感したのが「人と人との出会いの尊さ」です。国境を越えて多様な価値観を受け入れ、共存していくことの大切さを実感した1週間となりました。防災・社会貢献ユニットでは、出前授業として地域の幼稚園、小、中学校などで講師をし、防災教育や国際理解教育の授業を行っているのですが、その教材づくりに今回の体験を反映させることができるのも大きな収穫です。これをさらに発展させ、将来的には国際理解の市民教育を、老若男女を問わず精力的に展開していきたいという夢を持っています。

日本の「おもてなしの心」は世界に誇れる文化
感謝の気持ちを、社会貢献という形で恩返ししたい。

人文学部人文学科3年次生
学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
馬場 優太 さん

人文学部人文学科3年次生 学際教育機構 防災・社会貢献ユニット 馬場 優太 さん

今回、この事業に参加することで視野を広げ、学んでいる防災・社会貢献分野にも生かせるのではないかと考え、「地域の活性化や社会問題の解決のための人づくりと世界を知るため」にチャレンジしてみようと応募し、書類選考を経て日本訪問団100人の中の一人に選ばれました。言葉の問題など、不安はありましたが、各国の文化体験やグループ視察などの機会に、積極的にコミュニケーションを図ることができました。今回の交流で、私が感じたことは「国籍が違っても同じ人間である」ということ。防災や社会貢献を学ぶ私には、社会や人のためにという思いで行動することが多いですが、そのような想いは中国、韓国の学生にも多いということが改めて分かりました。「東南アジアの道路のない地域で、道路整備をしたい」と熱く語ってくれた韓国人学生のように、想いを共有できる仲間が日本だけでなく世界にいることはうれしいですし、彼らとの絆は、きっとこれからも切れることはないでしょう。日中韓の未来の架け橋は自分たちなんだという自覚をもって、日々の学問に取り組むとともに、今回築いた一つひとつのつながりを大切に育てていきたいと思います。滞在中は、中国側のボランティア学生に手厚くサポートしてもらい、感謝の気持ちでいっぱいです。来年の事業は東京で開催されます。今度は私たちがホストとして感謝の気持ちを伝えたいと思います。

世界編1「青少年防災協力トルコ派遣事業」に本学教員・学生が参加

兵庫県国際交流協会では、1999年に起きたトルコ北西部地震による震災遺児・孤児を日本に招き、兵庫県内の子どもたちとの交流を図る事業を行ってきました。兵庫県とトルコの協力基盤の整備と交流の促進を図るため、青少年による国際協力交流団が結成され、8月24日から8日間の日程で、本学防災・社会貢献ユニットの舩木伸江講師をリーダーに、ユニット生8名がトルコに派遣されました。

自分で考え、行動によって得た知識や体験を
警察官となって具象化したい。

法学部法律学科3年次生
学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
大橋 一徳 さん

法学部法律学科3年次生 学際教育機構 防災・社会貢献ユニット 大橋 一徳 さん

高校時代から警察官にあこがれていた私は、大学での学びを将来の職業に生かしたいと考え、防災・社会貢献ユニットのある神戸学院大学に入学しました。このユニットの特色は、自分たちで考え、行動することを通して学ぶことを何よりも重視していること。その一つが幼稚園や小、中学校を対象に行っている出前授業です。私たちは「防災レンジャー」というヒーロー物のストーリーをつくり、ムービーや実演を通じて子どもたちに防災教育を実施しています。そうした行動を通じて新たな知識や問題点を発見することが少なくありません。夏休みには、地震で大きな被害を受けたトルコへ出かけました。トルコの防災システムは想像以上に進んでおり、全国の地震に関するデータは首都アンカラで一元管理され、いざという時には直ちに対応できる体制が整えられています。また、訪問時に開催されていたNDYS(防災世界子ども会議)に参加し、私たちは阪神・淡路大震災の教訓から得た、非常持ち出し袋をテーマにした防災ワークショップを行いました。このような貴重な体験ができる防災・社会貢献ユニットに入ったことで、大学での学びがずいぶん充実したものになっています。現在、キャリアセンターの課外講座である公務員試験対策講座を受講し、警察官を目指して専門的な勉強に取り組んでいます。防災・社会貢献ユニットで得た知識や体験は今後の社会生活に大きく役立つものと確信しています。

国内外の防災システムを幅広く学び、
地方公務員として地域社会に貢献したい。

経営学部経営学科3年次生
学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
石原 圭策 さん

経営学部経営学科3年次生 学際教育機構 防災・社会貢献ユニット 石原 圭策 さん

「青少年防災協力トルコ派遣事業」に参加し、現地高校生へのプレゼンテーション、防災世界子ども会議でのワークショップ、世界遺産の見学などさまざまな体験をしましたが、最も印象に残ったのがトルコの災害対策です。各地に大きな倉庫を設けて大量の救援物資を常備する一方、普段は宿泊施設として一般に提供している建物を災害時には被災者住宅として活用するなど、一つの町が壊滅的な被害を受けても直ちに隣接地へ避難できる体制が整えられています。兵庫県内では、佐用町の水害状況や丹波の防災訓練など、現地視察や危機管理室の担当者に話を聞くといったフィールドワークを行っていますが、今後は国内ばかりでなくいろいろな国の防災対策も学び、より効果的な防災知識を吸収していきたいと考えています。チャンスがあれば、ボランティアも含め積極的に海外体験を重ねていきたいです。そのために欠かせないのが、コミュニケーション手段としての英語力と、海外へ発信する情報源となる日本に関する知識で、私自身の今後の課題としてぜひ克服したいと思っています。大学に入ったからには本気で何かに取り組もうと思い立ち、防災・社会貢献ユニットを選びました。今は身につけた知識や体験を将来の仕事に生かし、より具体的な形で地域社会に貢献したいと考え、地方公務員を目指しているところです。

世界編1「中国研修セミナー」に学生7名が参加

神戸学院大学人文学部と神戸の友好都市・天津市にある南開大学との交流が始まったのが今から約20年前のこと。3年に一度のペースで訪問団を結成し、現地で生きた中国語を学ぶとともに、中国の伝統文化や社会への理解を深めるために「中国研修セミナー」を開催してきました。今年のセミナーでは、人文学部の大原良通教授と学生7名が、8月10日から約1ヶ月間の日程で中国を訪問。研修では、中国語を学ぶだけでなく、京劇や伝統楽器二胡などを体験。また乾隆帝とイギリス使節マカートニーとの歴史的会見がおこなわれた承徳へ研修旅行をし、万里の長城や故宮博物館を見学したりするなど、充実したプログラムが組まれ、語学だけではなく文化や歴史にも触れ、さらに世界的な視野を培う機会となりました。今年セミナーに参加した学生の中から6名の学生に集まっていただき、話を伺いました。

人文学部人文学科4年次生
園田 あずみ さん

これまでにアジアを中心に各地を旅行しましたが、ゼミで演劇や日本と中国の文化比較、生活観の比較などをしており、卒業論文の作成などに生かしたいと考え、参加しました。卒業後はフードサービスの会社へ進むことになるので、今回の研修では、女子学生3名で中国料理をテーマに調査をしました。私たちが訪れた天津市は華北地域にあり、料理の系統は北京料理。日本のような小さな国でも各地に食文化があるように、中国では多くの食習慣があることを知りました。街に出ていろいろな料理を実際に食べて、調理法や食材について聞き取りも行いました。「食」について現地で見聞したことを、卒業後の仕事に少しでも生かすことができればと思っています。

人文学部人文学科3年次生
田川 彩香 さん

中国語の語学力を伸ばす、日本だけでなく世界に視野を広げ、将来に生かしたいと思い、セミナーへの参加を決めました。授業は午前中に100分授業を2セット行い、午後は自習・自由行動という日が多く、中国料理の調査、ショッピング、史跡めぐり、現地学生との交流などに時間を使うことができました。授業で学んだことを、学生との交流で確認したり、街中で実際に話してみたりしたことで、よく使われる日常会話はかなり覚えることができました。せっかく覚えた中国語なので、帰国後も使う場面を作るようにして、将来的には中国語の語学力を生かした職業に就けたらと考えています。

人文学部人文学科3年次生
田中 秀紀 さん

ゼミの大原先生が引率ということで、ゼミで学んでいることを実際に現地で確認したい、中国語の語学力を現地で試してみたいと思ったのが研修に参加した理由です。しかし初めての海外だったため、不安いっぱいのなかでの現地入りでした。中国では、現地の学生にいろいろ教えてもらい、コミュニケーションをとることができたことが自信となり、中国語の楽しさ・面白さを実感することができました。一番興味があるのは「美人」の概念です。もっと「聞く力」「話す力」を身につけて、一人で中国を旅することができるくらいにまでレベルアップし、中国における「美人」の概念について調査研究したいと思っています。

人文学部人文学科3年次生
雪野 一樹 さん

大原ゼミでは月に1回博物館などを訪れる機会があります。今回の研修に参加するにあたり、田中くんと立てたテーマは「天津の歴史と文化」。事前に文献や史資料から古い時代の天津の写真を探し出し、現地で現在の写真を撮影して定点比較するというものです。研修で一番印象に残っているのは、1泊2日で訪れた承徳での遺跡探訪。天津博物館や承徳の遺跡などを見学したことで、ますます建造物や出土品への興味が深まりました。ゼミで文献を読み、史料批判などを行っているので、卒業論文では出土した青銅器の図柄を比較し、そこに描かれた文様などから中国の文化史、生活史にアプローチしたいと思っています。

人文学部人文学科3年次生
坂井 里奈 さん

尊敬する人は諸葛孔明と黄老邪というくらい、中国を訪れることを楽しみにしていました。調査研究した中国料理のなかで、私が一番印象に残っているのはスイーツです。例えば「狗不理包子」という豚鰻は、天津を訪れる人は誰もがおいしいという評判どおり、本当に美味しかったです。日本で有名な天津甘栗ですが、天津では栗は取れないそうで、中国各地から栗が天津に集められ輸出されたことが名前の由来になったということも分かりました。スイーツというキーワードだけでも研究対象は無限に広がっていきます。大学院に進学したいと思っているので、研修の成果を生かしながら研究対象を何にするかをじっくり考えたいと思っています。

法学部法律学科2年次生
辻田 健太郎 さん

中国語を履修していたので、中国の文化に実際に触れてみたいと思ったのが研修に参加した理由です。今回の研修では、経営学部の丸山さんと一緒に「天津の日系進出企業」をテーマに調査しました。事前に天津市のGDPや財政収支の推移、主要外資企業の投資額推移などを調べて中国に行き、現地では企業見学も行いました。日本でもいろいろな情報は手に入りますが、現場に行くことで、利用者の声や実際に販売されている商品を実際に手に取ることができるので、より本当の姿を見ることができたように思います。見聞きしたこと、経験したことを、就職活動に生かしたいと考えています。

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