経済学部長・経済学研究科長 佐藤 伸明フロントライン

2009年、 さらなる高みを目指して ―新年のメッセージ―

経済学部長・経済学研究科長 佐藤 伸明

大学教育に王道なし

経済学部長・経済学研究科長 佐藤 伸明

新春を迎え、皆様方にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
近年、大学がグローバルな環境変化に適応することを余儀なくされています。本学や経済学部においても例外ではありません。例えば、昨今の世界的同時不況は、学生の就職支援にあたる業務や就職を見据えた教育内容をいっそう充実させることを大学や学部に要請しております。社会や時代の要請に応えて行くことは、大学にとっていつの時代においても重要な課題であります。経済学部においてもそのようなニーズに応えることは不可欠と考え、カリキュラムや教育内容を改良する努力を常時行っております。

他方、大学はやはり大学であって、社会や時代がどのように変化しても、二十歳前後の若い人を学術的に、かつ精神的に育てるという大学教育の使命と本筋は変わらないと考えております。教育の要諦は、周りの環境変化に応じて教育のあり方を変えたり、マスコミ受けするような活動をやたら取り入れたりすることにあるのではなく、どのような環境変化にも自ら適応し、成長できるような能力を育成することにあります。このような教育は環境変化からはむしろ独立的で、静かに着実に行われるべきもので、相当に地味な活動であると思われます。

「学問に王道なし」(There is no royal road to learning.)というよく知られた言葉があります。エジプト王トレミーに対してユークリッドが答えたとされる言葉で、学問をおさめるための安楽な、取って置きの方法はないというほどの意味です。「学問に王道なし」なら、「教育に王道なし」(There is no royal road to teaching.)です。

環境変化の本質を見誤らずに、何をすべきで、何をすべきでないか、を洞察する力が大学教育を行う側に今以上に求められているときはかつて無かったのではないでしょうか。本年も経済学部スタッフ一同真摯に着実にすべきことを実行する所存でございますので、皆様方のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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