実務法学研究科長(法科大学院) 小櫻 純フロントライン

2009年、 さらなる高みを目指して ―新年のメッセージ―

実務法学研究科長(法科大学院) 小櫻 純

「あとに続く人たちへ」
―学部卒業後の進路に法科大学院を―

実務法学研究科長(法科大学院) 小櫻 純

2004年4月に設立されました神戸学院大学法科大学院は、法曹になるためのプロセス教育を重視した司法試験制度改革に賛同し地道な教育を続けてまいりました。法曹になりたいという方々の負託を受け、地域社会の特性を活かした「コミュニティに根ざした法曹教育」を行って参りました結果、昨年、6名の合格者を出しました。そのうち半数の3名は、法学部以外の、商船大学、発達科学部、理学部出身者でした。

司法試験制度の改革の目的のひとつは、法学部出身者だけではなく、いろいろな学問を法学部以外の学部で学んできた大学生にも、法曹、つまり、弁護士、裁判官や検察官になって活躍していただくということにあります。神戸学院大学卒業予定者は、学部を問わず、適性試験受験後、当法科大学院の受験資格があるのです。

神戸学院大学の各学部学生には、ぜひこのことを知っていただき、将来の進路のひとつとして、法曹の世界に進むことを検討していただきたいと思います。

しかし、法科大学院をめぐって外部で逆風が吹いています。すなわち法科大学院教員が、司法試験委員を兼ねることによって生じた慶応大学事件を端緒とする新司法試験制度に対する一般社会の懐疑、各種弁護士団体の制度支持への翻意、そしてそれらに起因する受験生の減少です。その結果、中央教育審議会の答申では、全国的に法科大学院の定員削減を求めるようです。この影響は、地方の小規模校である神戸学院大学法科大学院に大きな悪影響を与えます。しかしながら、今後も、一致団結して当法科大学院教育を推進すれば、道は開けると確信します。

年齢、考え方、出身大学などがいろいろな学生を受け入れ、教育することで法科大学院が、活性化され、彼らを法曹に送り出すことができることを願ってやみません。

本年も、法科大学院の使命を果たしたいと切に願い、そのため、更なる研鑽に努めたいと思いますので、今後とも、なお一層のご理解とご支援をお願いいたします。

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