4年間の「総リハ」教育フロントライン

第一線で活躍する講師陣を専任教員として配し、
学生一人ひとりをじっくり育てる教育を実施

総合リハビリテーション学部では、社会リハビリテーション学科と医療リハビリテーション学科が共通で履修できるカリキュラムを用意し、医療系と福祉系両方の領域を総合的に学ぶことができるようになっています。また、現在行われている実際の医療・福祉の現場に対応できるよう、最先端の設備器機を装備。各分野の第一線で活躍する専門家が専任教員として教鞭をとり、すべての学生に目が行き届けられるよう少人数での指導・教育を行うなど、国内の大学ではトップクラスの学習環境が整えられています。

充実した施設・設備

充実した施設・設備

有瀬キャンパスにある総合リハビリテーションの学部棟(15号館)には、さまざまな検査や実験、トレーニングなどを行う研究室や実習室など、医療・福祉領域に関する最新の施設・設備が完備されています。特に、バリアフリーに対応した台所やお風呂などの設備を一式導入している「屋内住環境実習室」をはじめとして、実際の現場と同等の環境を体験することが可能な教室がいくつか設置されており、より実践的な知識・技術を身に付けることができるようになっています。

社会リハビリテーション学科で学ぶ。

児童や高齢者、障害や病気を抱えた方たちに対するさまざまな福祉サービスの相談専門職として活動する社会福祉士(SW=Social Worker)や、主に精神障害者の福祉を担う精神保健福祉士(PSW=Psychiatric Social Worker)養成を中心に、誰もが快適な生活が送れるような道具や住まい、まちづくりなどのバリアフリー・ユニバーサルデザインが学べる情報、工学、環境系の科目を整え、リハビリテーションに関わる幅広い知識や技術を身に付けることができる新たな教育を行っています。ここで学んだものが従来の福祉分野を越えて、その活動領域を広げていけるように取り組んでいます。卒業までに必要な単位を修得すれば社会福祉士と精神保健福祉士の国家受験資格が与えられます。

社会リハビリテーション学科

従来の福祉の学びを超えて
大きな広がりのあるリハビリテーションサービスを考える

社会リハビリテーション学科 学科長
黒田 大治郎 教授

社会リハビリテーション学科 学科長 黒田 大治郎 教授

一般的に“リハビリテーション”というと、身体の運動機能を回復させる医療的リハビリテーションのことと考えられています。医療的リハビリテーションは、リハビリテーションの重要な分野ではありますが、本来リハビリテーションとは、身体の運動機能の回復だけでなく、生活全般についてその人をより望ましい状態に整えて、人がより幸せな暮らしが得られるようにする取り組みのすべてを含むものです。とりわけ福祉サービスについて普通は、社会福祉施設などで心身に障害のある方や高齢者に行われるものと考えられています。社会リハビリテーション学科では、これまでのような社会福祉の取り組み、すなわち、社会福祉士や精神保健福祉士という社会福祉サービスの専門職を育成する教育を柱にしながら、住まいにおけるバリアフリーや暮らしのユニバーサルデザインに関わる学びやIT関連分野を学修に組み込んでいます。そしてこのことにより学生が、これまでの社会福祉サービスの分野にとどまらず、もっと広い範囲で対人サービスに活かすことのできる知識や技術を身に付けることを目指しているのです。実際、銀行など顧客サービスを重視する一般企業に内定した本学科の学生に対して、「社会福祉領域の知識や技術を学んでいることが大きな評価ポイント」となったといわれています。今後は、社会福祉士など社会福祉専門職を目指す学生と、社会福祉の学びを基礎にして、道具や住宅、まちづくり、ITの知識を活かした幅広いリハビリテーションサービスを目指す学生が、それぞれ自分の進む道をより選択しやすくカリキュラム編成を行う予定です。何がしたいのかまだ分からないけれど、何かを学びたい、またこれまでにない学びをしたいという受験生も多いと思います。社会リハビリテーション学科では、そうした学生のやる気をさらに引き出して将来に道を切り拓くことのできる教育、その学びをサポートできる質の高い教員スタッフが揃っています。

医療リハビリテーション学科で学ぶ。

【理学療法学専攻】

医療リハビリテーション学科 理学療法学専攻

理学療法学専攻では、事故や病気で身体機能の基本動作に支障がある方に対して、リハビリテーションを施す専門家、理学療法士(PT=Physical Therapist)の養成を目指しています。卒業に必要な単位を修得すると、卒業と同時に、国家資格である理学療法士の受験資格が取得でき、3月上旬の試験に臨むことができます。

【作業療法学専攻】

医療リハビリテーション学科 作業療法学専攻

心身に障害のある方、高齢者に対して、箸でものを持ち運びするなど日常行われる活動の障害に対し作業を利用した治療法で身体機能の回復や社会適応能力の獲得を図るための指導を行う専門家が、作業療法士(OT=Occupational Therapist)です。作業療法学専攻では、この作業療法士養成を主な目的としています。卒業までに必要な単位を修得すると、国家資格である作業療法士の受験資格が与えられ、3月上旬の試験に臨むことができます。

医療現場で必要な
コミュニケーション能力を鍛える

医療リハビリテーション学科
理学療法学専攻 専攻長
春藤 久人 教授

医療リハビリテーション学科 理学療法学専攻 専攻長 春藤 久人 教授

医療リハビリテーション学科の特徴としては、医療分野の知識と福祉系の知識が同時に学べることと、リハビリテーションの最先端の学修や研究に必要な設備機器と教員が充実していることが挙げられます。最近は、運動機能の回復だけでなく、肺気腫などの肺疾患、心不全や心筋梗塞などの心疾患といった内臓疾患のある患者さんの機能を回復させるリハビリテーションなども盛んになってきています。本学科には、呼吸機能や心臓循環系機能を測定する「理学療法研究室(呼吸・循環・代謝)」をはじめ、最新の設備が備えられており、日本でも屈指の養成施設といえます。こうしたハード面に加えて、経験豊富な教員によるソフト面も充実しており、現代医療の現場のニーズに対応できる理学療法士養成のための環境が整っています。学生時代にリハビリテーションに関する知識と技術を身につけることの必要性は言うまでもありませんが、さらに、医療の現場では、コミュニケーション能力の高さや問題解決能力が求められます。1期生は学部のパイオニアとしてよく頑張っていると思いますが、まだまだ今後、そうした能力をさらに磨く必要があると考えています。例えば、学外実習の前に臨床に必要な技能や態度、マナーをテストするOSCE(「オスキー」:客観的臨床能力試験)を取り入れるなど、学内でしっかりとトレーニングをしてから学生を実践の場に送り出す必要があるでしょう。また、将来的には、健康な方々に対して指導を行う健康運動実践指導者の資格取得に対応したカリキュラムを盛り込むことも検討しているところです。理学療法士の育成だけではない、新たな可能性も探っていきたいと考えています。

患者への対応に定まった正解はない
実習の充実で問題解決能力の向上を

学長補佐
医療リハビリテーション学科
作業療法学専攻 専攻長
古川 宏 教授

学長補佐 医療リハビリテーション学科 作業療法学専攻 古川 宏 教授

作業療法と理学療法は、どちらも事故や病気で失われた運動能力や精神機能の障害を回復させるという目的は一緒です。しかし、理学療法では機能不全に陥った箇所を対象にリハビリテーションを行いますが、作業療法では、例えば陶芸をする、お箸で物をつまんで持ち運びするといった活動を分析して、機能回復に必要な目的動作を繰り返すこと、または、福祉用具を利用して生活動作の回復を図るところに大きな違いがあります。こうした実践感覚を得ることは作業療法の重要な要素で、スムーズな在宅生活を行う際にとても重要です。本学科では、そうした在宅現場でのシミュレーションが可能な、車椅子対応の台所などのユニバーサルデザインを施した最新の設備が充実しています。また、現場での臨床経験が豊富で、なおかつ、作業療法学の教科書に執筆しておられる教員も専任のスタッフとして数多く名を連ねています。日本有数の設備と、全国でもトップクラスの教員スタッフ。これが、本学科及び本学部の強みでしょう。こうした恵まれた環境の中で、学生は今までのところよくやっていると思います。4年次生の6月から10月にかけて外部施設で実習が行われるのですが、施設は近場とは限らないので場合によっては下宿して実習を行うこともあります。全く違った環境のなかで患者さんの人生がかかった甘えが許されない状況を経験し、1期生は随分たくましくなったと思います。患者の方はそれぞれ全く違うバックグラウンドを背負っているので、リハビリテーションのやり方は定まった正解はありません。その人に合ったプログラムが必要です。今後は、患者さんそれぞれに対応できる能力をしっかりと養ってもらうため、学外とともに学内での講義・実習により力を注いでいきたいと考えています。

フロントライン 一覧