合格者からのメッセージ[3]フロントライン

全速力で狭き門を駆け抜ける そんな気概が何より大事 東田 展明さん

私は、京都大学法学部在学中の25歳の時に司法試験対策のため専門学校に入学して勉強することにしました。その当時は、自分でもどのような勉強をすればよいか分からず八方ふさがり状態で、精神的にどうしようもない状態に置かれていました。そんな状態で、勉強に真剣に取り組めるはずがありません。結局3回も司法試験に落ちてしまいました。そんな時、法科大学院というものができ、じっくり3年間、新司法試験に合格する勉強を教えていただけるということで、最後の救いを求めて本学の法科大学院の門を叩きました。

学習方法に関しては、まず、とにかく大学院の講義の内容を無駄にしないということです。講義の中で語られることで、最低1つは確実に汲み取って自分なりに整理しまとめるのです。まとめた理論は頭の中や整理ノートに蓄積しておいて、完全に理解できたらまた新しい理論を構築していくのです。もう1つは、実際の試験の実態を知るということです。実際の試験で何を問われているのかをきちんと把握しておくことが何より必要でしょう。新司法試験は、実務家としての能力を見る試験です。事実認定が何よりも大事で、次にそれに法律を当てはめるのですが、基本的な概念や、解釈をいかに応用して適用できるかという能力が必要となります。実際の試験では、簡単に事実認定に当てはめさせられるような問題は出ないでしょう。法令の理解、法令解釈能力は早い段階で精確に習得し、知識・思考定着の素養を身につけるべきでしょう。

独りよがりを避けて、理解を深めるために、グループでお互いに検査し合うのもよいでしょう。また、1冊の本で理解できなかったら2冊読めばよいのです。そして、講義が分からなければ、教授を講義後に引き止めて分かるまで質問するのです。そうして、とにかく、一つひとつを確実に理解するようにしてください。そうしないと、東大修了の学生とは競争できないのです。せっかく法科大学院に入学して貴重な時間を費やしているのです。これは、自戒をこめてのメッセージとなりますが、このことを十分認識し、勉強に全精力を注いでいただきたいと思います。それくらいの気概がなければ、自分の力にはなりません。幸い、そうした努力を全身で受け止め導いてくださる、素晴らしい先生方が本学のロースクールにはおられます。ぜひ、この恵まれた環境を有効に活用してください。

プロフィール

1974年生まれ

京都大学法学部卒業、神戸学院大学法科大学院入学。

好きな言葉:

「天真爛漫」「気概」「覚悟」「人事を尽くして天命を待つ」

法曹界を志す方・後輩へのメッセージ:

新司法試験制度は、法曹となる能力を持った人を様々な経験や価値観を持った人々の中から広く選抜し、登用する制度です。そして、この試験は、努力すれば必ず合格する試験です。確かに、この努力は十人並では足りませんし、結果が求められる厳しい試験です。しかし、自分の能力と可能性を信じて全力で努力すれば、道は開けます。この神戸学院大学法科大学院は、そういう思いをしっかりと受け止めてくれます。皆さんも頑張れ!

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