スポーツフェスタ2007の実施例フロントライン

事例【4】
テニス部員参加によるジュニアテニス強化・普及プロジェクト

テニス部員参加によるジュニアテニス強化・普及プロジェクト

ジュニアテニス強化・普及プロジェクトは、本学が昨年から実施している「スポーツフェスタ」のプロジェクトのひとつです。この「スポーツフェスタ」は、本学の人的資源と施設を活用して地域の皆さんにスポーツに親しんでいただく機会を提供する目的で実施され、テニスの他に、サッカーや陸上などさまざまな体育会組織の協力のもと行われています。また、将来全国レベルで活躍できるスポーツプレーヤーを発掘し、強化育成することも視野に入れて実施されています。

テニス部員参加によるジュニアテニス強化・普及プロジェクト

本プロジェクトでは、元フィリピン代表選手で、国別対抗戦のデビスカップ(通称:デ杯)出場選手のソフロニオ・パラハンコーチ以下、本学テニス部の部員が中心となって子どもたちを指導しています。子どもたちは、本学近隣地域のほか、遠方からは滋賀県の大津市、西宮市、姫路市や洲本市などからも集まってきており、30人の募集に対して結果的に47人にまで定員を増やすことになりました。

テニス部員参加によるジュニアテニス強化・普及プロジェクト

練習生の子どもたちは小学校の3年生から高校生までと幅広く、それぞれ年齢・実力別に初心者レベルから全日本のジュニアレベルまでの5つのグループに振り分けられました。練習メニューは、アシスタントコーチである部員がコート中央からボールを練習生に向かって出して、それを打ち返すという練習や、1対1でのラリー、上級者レベルになると、コーチが中央から左右中央に振り分けたボールをしっかりと構えて打つといった練習など、各レベルにあった練習メニューをこなしていきます。これらの練習は、テニス部の練習に支障がでないように日曜日の午前8時から午前10時までに行われ、期間は6月17日から来年の2月10日まで計20回実施されます。

神戸学院大学体育会テニス部総監督
兵庫県テニス協会理事長 大西哲夫氏

英国から生まれたテニス競技は、試合中に監督の指示のもとにプレーをするスポーツと違って、一旦プレーが始まると団体戦以外は試合が終了するまで誰からも指示を仰いだり、助言を受けたりすることはできません。すべて自己責任、自己判断でプレーをすることになります。従って、その時、その場面での状況に応じて何をすべきかを瞬時に判断できる能力と、プレッシャーのかかった場面でそれを克服する強い精神力が求められます。本学テニス部はパラハンコーチが就任してから、そうした力が身に付くようになって、着実に結果を残せるようになっています。

このジュニアテニス強化・普及プロジェクトは、テニス部が蓄積してきたノウハウを、地域の子どもたちに還元したいと思って始めました。また、常に教えられる側にいた学生たちが、教える側に立つことでスキルの上達だけでなく、コーチングを学ぶことによって、人間的にも大きく成長できる機会だと思っております。

本学テニス部の部訓は「Be Human Before Being a Tennis Champion!(テニスチャンピオンである前に人間であれ)」で、この方針に基づいたジュニアの育成と部員の“人間力”アップのため、可能な限りこのプログラムを続けていきたいと考えています。

Voice

「勝者に必要なメンタルを備えたチャンピオンを育てたい」


神戸学院大学体育会テニス部コーチ
特別技術指導員
ソフロニオ・パラハン氏
神戸学院大学体育会テニス部コーチ 特別技術指導員 ソフロニオ・パラハン氏

私が本学のテニス部コーチに就任したのは2003年のことです。当時のテニス部のレベルはあまり高くなかったのですが、この数年で急速にレベルアップし、関西学生トーナメントでもシングルで優勝者を出すまでになっています。

テニスの上達の過程には3段階あって、初心者の段階からスキルがアップしてそれなりにゲームを作れる段階までは、だいたいレベルアップできます。しかし、その上のどんな状況や相手でも勝てるようなレベルにまで到達するのが非常に難しい。そうしたレベルに到達できるかどうかは、メンタルが強いか弱いかということにつきるのです。

私は部員たちがどうすれば強い精神力を身に付けることができるのかを常に考えてコーチングしています。今回のジュニア育成プログラムを通じて、本学テニス部員はもちろんですが、将来このプログラムを学んだ子どもたちから日本を代表するようなテニスプレーヤーが誕生することを願っています。

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