商店街イベントへの企画・運営に参加フロントライン

事例【1】
人文学部学生による板宿本通商店街イベントへの企画参加

人文学部学生による板宿本通商店街イベントへの企画参加

昨年、神戸市内の商店主の方々で運営されている組織「やる気ネット神戸」と神戸学院大学人文学部とが協定を結びました。これは、学生の若い力とアイデアを商店街や地域の活性化に生かす目的で結ばれたものです。その一環として、神戸市須磨区の板宿本通商店街のイベント「2006いたやど夜店まつり」に人文学部水本浩典教授のゼミの学生が企画から参加。当日の夜店ブースの運営にもあたりました。今年は、人文学部の正規授業(インターンシップⅠ~Ⅳ)の中にこのプログラムが組み込まれ、単位認定もされるようになりました。

人文学部学生による板宿本通商店街イベントへの企画参加

今年の「2007いたやど夜店まつり」は8月5日(日)に開催予定。板宿本通商店街の実行委員の方々と学生たちとは、開催までに計4~5回会合の場を持ち、企画・運営についての話し合いを行います。3回目となる6月27日に実施された会合では、学生たちによって夜店の各ブースで展開するゲームなどの具体的な企画案が提案されました。企画の詳細な内容の説明とともに、それぞれにかかる概算見積も明示する形で進行しました。

人文学部学生による板宿本通商店街イベントへの企画参加

今回の各ブースの催し物は、昨年の夜店まつりで決定した板宿本通商店街のキャラクターをもっと世間に認知してもらうということがテーマとなっているため、学生たちはキャラクターを全面に押し出したさまざまなゲームなどを中心に企画を考案。「そのアイデアはとてもいいね」「もうちょっと工夫がいるな」など、各ブース企画担当者の学生が概要を発表する度に、商店主の方々からはさまざまな意見が飛び交います。学生たちは、自分たちの企画主旨・内容・経費などをしっかりと説明。それに対して商店主の方は、これまでの経験から実現が難しそうなプランについては具体的に改良点を指摘するなど企画の実施に向けてお互い真剣な議論となりました。実行委員会会長の尾田幸夫さんは、「学生たちは、斬新なアイデアを出してくれてじっくりと熱心に対応してくれるのでとてもありがたい。私たちは、若い人たちと一緒にこうして真剣に向き合うことで、何より元気をもらえます」とおっしゃっておられました。

人文学部 人文学科
水本 浩典 教授

昨年は、私のゼミの学生のみの参加でしたが、今回は、授業の一環として単位認定をするということで学生を募集し、最終的に他学科の学生も合わせて18人でKGUまちづくりプロジェクトチーム(略称、「KGUまちプロ」)が結成されました。今年の「KGUまちプロ」は人数も多く、さまざまなゼミや学科から集まった集合体なので、意思決定をスムーズに伝達できるように系統だった組織を作ることから始めました。まずグループの責任者である、統括リーダーを決めその下に企画・運営グループと集客・広報グループの2つのグループに学生を分けそれぞれにグループ責任者をおきました。そして、統括リーダーおよびグループ責任者が統括会議で検討した決定事項が各グループに伝えられ実行する仕組みにしました。疑似会社組織を作ったわけです。こうすることで、学生たちも自分たちの責任をより強く自覚しながら、それぞれの役割を果たすことができているように思います。このKGUまちプロのような、単なるお手伝いといった感覚ではなく“真剣勝負”で地域社会に入り共にひとつの目標に向かって物事を完成させてくという行為は、学生たちの大きな成長につながります。また、去年の成功によって、他の地域の方々からもぜひ学生の力を貸してほしいという要望もいただいています。そうした意味でも、今後も必要とされる限りこの「KGUまちプロ」を継続し、神戸学院大学と地域が連携する学生の拠点に成長してくれることを願っています。

Voice

「社会に出なければ学べない場で、自分自身を鍛える日々」


人文学部  人間行動学科
4年次生 尾崎 智洋さん
人文学部 人間行動学科 4年次生 尾崎 智洋さん

今年の「いたやど夜店まつり」では、本学は夜店ブースの25店舗のうち20店舗の企画・運営をまかされています。ブースの数が多いのでそれぞれの企画を考えていくのは大変な作業ですが、何もかもが初めてのうえ、祭り全体のテーマ設定から始めないといけなかった昨年の先輩方に比べたら、今回は夜店の企画・運営に特化している分、作業的な負担は軽減されていると思います。先輩たちのお蔭で夜店の企画・運営に集中できたので、昨年よりさらにグレードアップした企画内容としたいとがんばっています。

ただ、私自身は統括リーダーという「KGUまちプロ」のリーダーを任されているため、チームのみんなの意見を聞いているうちに迷いが生じたり、なかなか決断できなかったりと思い悩むことも多いです。水本先生に「リーダー、踏ん張れ!」と叱咤激励を受けながら試行錯誤で統括リーダーの大役を務めていますが、そうした経験も、社会に出なければできない貴重な機会であり、すべて勉強だと思ってがんばっています。

また、今回、有瀬児童館に試作品を持って出向いたり、有瀬キャンパス近隣の子供たちを学内に招いたりして自分たちが考えたゲームを実際に体験してもらいました。その結果を夜店ブースの企画にも反映しています。机上の大学生の視点だけでは気付けないゲームの魅力や楽しみ方などを、子供の視点から発見することができました。8月5日当日の子どもたちの反応が今から本当に楽しみです。

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