法学部・経済学部・経営学部フロントライン

新キャンパスの“学び”について

法学部(3・4年次)

ポートアイランドキャンパスには実際の法廷と遜色のない設備を誇る法廷教室が設置され、2009年の裁判員制度スタートに備え万全の環境が整っています。この教室では、一般の市民の方に陪審員を体験していただいたり、実際の弁護士や元裁判官にも参加していただくなどさまざまな利用を検討しており、実際の裁判により近い授業が展開できると期待されています。

また、今年度入学の1年次生から新しいカリキュラムに変更され、古典的な法学の授業に加えてより実践的な領域に拡大。資格取得や司法書士、税理士になるための授業、さらには法科大学を目指すための授業が組み込まれるなど多岐に渡っています。有瀬キャンパスで学ぶ2年間で所定の単位を取得しなければ3年次に進めない“進級制度”が始まるのも新しいカリキュラムの大きな特徴です。

ポートアイランドキャンパスで学ぶことになる3年次にはより高い学問水準へと引き上げ、学生の勉学に対する意識を高めることが狙いです。

法廷教室
法廷教室

立地を十分に生かした授業を充実させ、学習力および教員のレベルアップを図りたい

氏家 伸一 学部長
氏家 伸一 学部長

法学部は今年度から国際関係法学科が廃止され法律学科のみの一学部一学科に移行しました。とはいえ、国際関係法学の関連科目がなくなったかというとそうではなく、コースとして存続し、引き続き充実した学習環境が維持されています。海外、特にアジア諸国の窓口として重要な役割を果たしている三宮に新キャンパスが開設されたことで、むしろ国際法や国際政治を学ぶ重要性は増したといえるのではないでしょうか。また、今の企業は、外部から弁護士を雇うのではなく法務関係の部署を置き、法律の専門知識のある社員を雇用し社内で対処しようとする傾向になってきています。

本学部でもそうした実務に強い人材の養成を図るため、あるいは、通常の場合の就職先の受け皿として考えた場合も含めて、今以上に法曹界や企業との結びつきを強める必要性があると考えています。現在は、金融関係の2社と近隣の市役所や県庁などからスタッフを派遣していただいて寄付講座を行っていますが、今後もっと数を増やし授業の充実をめざしたいと思っています。

今年の新入生は受験者数が増加し、特に京阪神地区からの受験者の増加が顕著だそうです。われわれはこの現象を“ポートアイランド効果”と呼んでいますが、FD(Faculty Development)、つまり教員の質の向上を図り授業のレベルをあげて、せっかくの素晴らしいキャンパスを十分活用した教育サービスを学生に提供したいと考えています。

経済学部(3・4年次)

経済学の重要なキーワードは「社会認識を深める」ということ。そのため、経済学という学問を吸収し発展させるためには、都市に基盤を置くことが重要となります。

例えば、さまざまな商品が溢れ、経済活動が盛んで豊かに見える都市に、なぜ大きな貧富の差が生じるのか。社会・経済構造に起因するそういった問題点を経済学では研究の対象とするため、ポートアイランドという都市の中心部にキャンパスが開設されたことは、今後の本学部生の学習に少なからず良い影響を与えるでしょう。

また、周辺には企業の工場や小売店鋪などインターンシップ先として学生を送り込みやすい環境があり、今後、学部としてもそうした「地の利」を生かしてゆく予定です。

大講義室
大講義室

異なるキャンパスで学ぶことで
新たな「社会認識」が生まれることを期待

佐藤 伸明 学部長
佐藤 伸明 学部長

新キャンパスの学びについての利点は、“勉強をエンジョイできる”ということ。つまり、新しく美しいポートアイランドキャンパスができたことにより、学生にとって大学がただ勉強をしに行くだけの場所ではなく、勉強を含めたキャンパスライフそのものをより楽しめる空間になったということです。

これは、学生の勉学意欲を高める契機にもなり大いに歓迎されることです。また、学生たちが、今まで有瀬キャンパスという限られた単一の場所だけで経済学を学んでいたのが、キャンパスが増えて2カ所になったこと、しかも三宮という都市部を学びの場とできることで経済学への問題意識を高めてくれるのではないかという期待感もあります。

1・2年次の有瀬キャンパスで基礎を学び、3・4年次のポートアイランドキャンパスでその基礎を発展させることになりますが、2カ所の異なる空間で基礎から発展へと学びを進化させることは、1つの空間に限られていたならば得られなかったであろう何かをもたらしてくれるに違いありません。本学部生がそうしたメリットを生かして、視野を広げ、社会認識を深め、そして人間的にも成長してくれることを期待しています。

経営学部(3・4年次)

今年度からスタートした経営学部の新カリキュラムは、ポートアイランドキャンパスの開設に合わせて組まれています。新しいカリキュラムの最大の特徴は、産学連携を意識し、また、今日の社会の時流に沿う内容を盛り込んだ科目が多くなったことです。1・2年次生は経営学の基礎分野、3・4年次生は専門分野と、有瀬、ポートアイランドのそれぞれのキャンパスで学ぶ専門性の内容を考慮しています。

例えば、ポートアイランドキャンパスでは、ベンチャービジネス、NPO、M&Aや企業の社会責任に関する科目など、より実践的で現実社会の動向に即した科目が用意されています。

図書館
図書館

企業活動をより身近にしてくれる
立地の良さを体感して欲しい

角野 信夫 学部長
角野 信夫 学部長

私はよく、学生にコンビニにアルバイトに行った場合でも経営のノウハウの実践を学んできなさいと言っています。そうした、実際の企業活動に触れることこそが、経営学を理解するための一助となると思うからです。そういう意味では、近くに港湾物流や流通業、証券会社、銀行などがひしめく神戸の中心地近くに拠点を置くキャンパスに3・4年次生が移ることは、より身近に企業活動を感じることができ、有意義なことだと思っています。

学生にとっては、学ぶ場所が変わるので、経営学の基礎から専門にレベルアップするという心構えや気持ちの切り替えが今までよりできやすくなるのではないでしょうか。また、三宮や大阪に近いため、就職活動が今までよりしやすくなるということも大きな利点でしょう。

経営学部が主催するシンポジウムや講演会は、年2回開催していますが、今後は新キャンパスでも開催していく予定です。より広く一般の方にも参加していただければ幸いです。

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