神戸学院大学

東日本大震災等の被災地支援活動

災害支援ボランティアに関するシンポジウム@仙台 参加報告書

1.行事名 復興大学災害ボランティアステーション 主催シンポジウム
『「人と社会の脆さ」と「大学生ボランティア」の意義』
2.行事主旨 (1)「復興大学災害ボランティアステーション」と「大学間連携災害ボランティアネットワーク」の共催で開催される大学ボランティアの意義を議論する場。
(2)大学間連携災害ボランティアネットワーク(加盟団体はチラシの裏面を参照)は、広域的に全国の大学が連携し、復興に向けての支援活動を展開する資源。
神戸学院大学も、加入している。
3.日程 2012年12月14日(金)~15日(土)
4.会場 東北学院大学土樋(つちとい)キャンパス
〒980-8511 仙台市青葉区土樋一丁目3-1
5.参加目的 (1)活動発表、(2)パネル展示
6.参加者 (1)学生3名
藤本 貴士 薬学部 1年次生
仙波あゆみ 人文学部 1年次生
横田 侑佳 人文学部 1年次生
(2)教職員4名
渉外(12/14) 松本 史朗 事務局長
渉外(12/15) 田中 康介 学生支援センター所長
引率(両 日) 川口 謙造 学生支援グループボランティア活動支援室担当
引率(両 日) 四宮千佳子 社会連携グループ(現地コーディネーター)

7.プログラム

第1日目:12月14日(金)8号館5階押川記念ホール

司会:郭 基煥(東北学院大学経済学部准教授)

12:00
~13:00
参加大学によるポスターセッション・パネル展示(8号館第1・2会議室)
13:00 開会
沢田 康次(東北工業大学学長・復興大学事業代表)挨拶
佐々木 俊三(東北学院大学副学長・東北学院大学災害ボランティアステーション所長)挨拶
13:15 講演
  1. 村井 雅清(被災地NGO恊働センター理事)
  2. 牧田 東一(桜美林大学基盤教育院教授・サービスラーニングセンター長)
  3. 喜久里 要(文部科学省高等教育局私学助成課課長補佐)

適宜休憩、質疑応答を含む

15:30
~17:30
報告発表
  1. 伊知地 亮(復興庁ボランティア・公益的民間連携班 政策調査官)
  2. 野田 祐機(公益社団法人 助けあいジャパン代表理事)
ラウンドテーブル

指定討論者

村井 雅清(被災地NGO恊働センター理事)
牧田 東一(桜美林大学基盤教育院教授・サービスラーニングセンター長)
喜久里 要(文部科学省高等教育局私学助成課課長補佐)
伊知地 亮(復興庁 ボランティア・公益的民間連携班 政策調査官)
野田 祐機(公益社団法人 助けあいジャパン代表理事)
山下 由紀(早稲田大学学生)
長島 心一(東北学院大学学生)

コーディネーター

宮本 直規(東北学院大学教養学部講師)

18:30~ 懇親会

第2日目:12月15日(土)8号館3階第3・4会議室

10:00
~11:00
参加大学によるポスターセッション・パネル展示(8号館第1・2会議室)
11:00
~12:30
セッション1「大学生にとってのボランティアの意義・課題・可能性(1)」
司会:山野 遥奈、保坂 隼人(東北学院大学学生)
ボランティア活動参加大学生の発表

石井 紗也加(東北大学学生)
斎 美紀、村上 達哉(尚絅学院大学学生)
山下 由紀(早稲田大学学生)
藤本 貴士、横田 侑佳、仙波 あゆみ(神戸学院大学学生)
石原 尚生(東北福祉大学大学院生)
伊藤 真奈美、引地 リサ、後藤 詩織(宮城学院女子大学学生)
内海 舞子、近藤 優衣(仙台白百合女子大学)
川口 順也、伊藤 龍哉、佐伯 旭宏、横井 禪、和田 諒(名古屋学院大学学生)

12:30
~13:30
参加大学によるポスターセッション・パネル展示(8号館第1・2会議室)
13:30
~15:00
セッション2「大学生にとってのボランティアの意義・課題・可能性(2)」
司会:永井 佑宜、渡邉 恭晃(関西学院大学学生)
ボランティア活動参加大学生の発表

白倉 隆之介(中央大学学生)
宮城 尚弥、西川 航太郎(西南学院大学学生)
瀬川 達也(青山学院大学学生)
永井 佑宜、渡邉 恭晃(関西学院大学学生)
中村充孝(明治学院大学学生)
宇田 和弘(広島修道大学学生)
奥津 裕太(桜美林大学学生)
保坂 隼人(東北学院大学学生)

15:00
~15:10
閉会
佐々木 俊三(東北学院大学副学長・東北学院大学災害ボランティアステーション所長)挨拶

8.参加報告

(1)パネル展示

本学の取り組みを、4枚のパネルにまとめ、参加者に公開しました。展示会場では、互いの活動を共有し、学生、教職員ともに交流の場となっていました。

【神戸学院大学展示パネル】

(2)活動報告

プログラム2日目の午前のセッションで、本学学生3名による15分間の活動 報告がなされました。報告内容は以下です。主催者からの要請は、活動体験からの「学び」、「変化」、「課題」、「提案」にあわせて、事前に入念な話し合い、リハーサルを行い、当日に挑みました。

<神戸学院大学報告>
東日本大震災復興に向けて、大学生ボランティアの意義
~【人と社会の脆さ】を受け止め、学生にできること、学生が学ぶこと~

A 「助け合うとはどういうことなのか」を考える

~大学間連携「気仙沼プロジェクト」に参加して~

神戸学院大学薬学部1年次生 藤本貴士
(2012年夏休みに初めての活動参加)

  1. 参加プログラムの内容 古道・遊歩道の修復、わかめの養殖用のおもり清掃 他

  2. なぜ参加したか(神戸学院大学から参加した4名の活動報告書から)

    • 東北の人々や被災地の状況を知り、自分に何ができるか考えるため
    • 阪神・淡路大震災の恩返し
  3. 何を学んだか

    • 「前向きに考えている」東北の方々の心情
    • 継続してボランティアを行うことの必要性
    • 助け合うことの重要性
    • 被災地とそれ以外の地域の意識のズレ
  4. 活動に参加して何が変わったか

    • 復興、震災について考える時間が増加した
    • 被災地の情報に注意を払うようになった
    • ボランティアに前向きになった
  5. 活動経験からの考察

    • ボランティアとはなにか=「助け合い」について考察 他
    • プログラムの課題=東北学院大学学生スタッフの負担軽減、現地と他県の意識のずれ
    • 提案=気仙沼の魅力に注目し、発信すること、現地でお金を使い経済的な支援を!
    緊張の中での発表する藤本
    東北ボランティアに参加して
    災害復興への意識に変化があった。
    イラストを駆使して、説明した。
B 神戸学院大学「東北支援ボランティアバス」(現地2日間の活動)

~心理学科の学生として、継続的な支援など考えたこと~

神戸学院大学人文学部心理学科1年次生 横田侑佳
(ボランティア活動支援室学生スタッフ)

横田は心理学科の学生として被災者の心の傷の大きさに着目し、自身の学びにつなげる。
  1. 活動の概要

    • 毎月バスを出して、月ごとに活動内容を企画
      住民の方からの要望に応じて支援を考える
    • 石巻市南境団地の集会所で、小さな図書館(神戸学院Library)や壁画など
    • 名取市箱塚屋敷で、個別訪問、駐車場の改善、大掃除など
    • 現地の大学との連携も
  2. 参加した動機

    • 2011.3.11(発災の日)は高校生だった、何か役に立ちたいと思いつつ何もできない自分に限界を感じた。
    • 神戸学院大学に入学し、積極的に災害支援をしていることを知った。
    • ボランティア活動支援室学生スタッフで、「今の私にできること、今しかできないことをしたい」と思った。
  3. 参加して気づいたこと

    • 今の被災地に必要なこと
    • 二年が経過して何も変わらないという現実
    • 心の傷が大きいということ
  4. 参加後、自分がどう変わったか

    • 自分の意識が浅はかだったこと
    • 心理学科として心理を学ぶ上で、とても貴重な経験になったこと
    • 震災に対する意識がかわったこと
  5. 提案

    • これまでのように現地での活動を続けていきたい
    • 住民の方に少しでも楽しんでもらえるような活動
      (神戸において)
    • また、神戸から東北の現状を伝えていくこと
    • 南海大震災に向けた防災訓練
    • 自然災害に関する意識改革

☆いずれにしても、「継続」していくことが大切だと考えます。

C神戸学院大学「中期滞在型プロジェクト」(1週間の現地活動)

~神戸の大学生として、活動経験を通して考えたこと~

神戸学院大学人文学部心理学科1年次生 仙波あゆみ
(ボランティア活動支援室学生スタッフ)

  1. 活動の概要

    • 活動場所 宮城県名取市箱塚屋敷団地
    • 活動期間 2012年8月25日(土)~9月1日(土)
  2. 活動内容
    神戸学院の学生2名が仮設住宅に滞在

    • 「閖上の記憶」語り部の会参加、現地視察
    • 平日の仮設住宅の現状を知る
      →日常で発生すること、自治会のお手伝い
    • 本学のボランティアバスの事前準備、当日のサポート
    • 他大学(尚絅学院大学)と意見交換
  3. ③動機

    • ボランティアバスの活動では分からない面、見えない面を知りたい
      →本学のこれからの活動にいかしたい
    • 多数の現地の方の話を聞き、情報を得ることで自分は何ができるのかを見つめ直す
  4. 気づいたこと学んだこと

    • 自分が復興状況、政策について無知であったこと
    • 継続することの重要さ
    • 他団体と足並みを揃えることが重要だということ
    • 現地で問題になっていること、ボランティアのありかた
  5. 活動後にどう変わったか、何をしていきたいか

    • 他大学の活動に興味をもった
    • 阪神・淡路大震災が起こってからの復興の足跡を知りたいと感じた

    ⑥提案

    • 他大学、団体の活動状況など情報交換を頻繁に行う

仙波は、中期滞在型プロジェクトに参加し、ボランティアバスでは 見えない「平日の仮設住宅」の様子を知り、考えたことを報告した。
復興政策まで思考の翼を広げたが、まだ1年次生、今後の成長に期待したい。

9.プログラムに参加して…

神戸学院大学薬学部1年次生 藤本貴士

(1)シンポへ参加して気付いたこと・学んだこと

  1. 気付いたこと

    • 自分がまだまだ話す技術が未熟であること。
    • 他の人のボランティア経験を聞くことは良い刺激になるということ。冬休みに何かしてみようかな、という気持ちになった。
    • 時間が5分では、主催者側からできれば話してほしいこととして要請された事項を全て話すのは困難。もっと、ポイントを絞ったほうが良かった。
    • ものすごくやる気のある人、私のようにちょっとやってみようかなという程度の人、など色々な人がいるが、自分から参加するような人は基本的にすごく真面目。
  2. 学んだこと

    • ボランティアの仕方には本当に様々なやり方がある。
    • プレゼンテーションのやり方。今回の失敗で発表資料、話す内容の適切な量や練習の重要性などを痛感できた。
    • 学生ではあるが、ボランティアでは名刺交換など社会人としての付き合いもあり、良い経験になる。

(2)神戸学院大学の学生として、他大学との連携や協働に対する意見

  • 連携や共同をした方がより広い活動ができるし、多くの人に関わってもらうことができると思うので、いいと思う。反面、他大学と連携するとなると、学内だけの話ではなくなってしまうので、より重い責任を負うことになる。そうなると、学業との両立が可能なのかどうか少し不安。

神戸学院大学人文学部心理学科1年次生 横田侑佳

(1)シンポへ参加して気付いたこと・学んだこと

  • 災害ボランティアを行う上で似たような問題を他の大学も抱えていると感じた。
  • 私達とは異なった支援の仕方があり、そのことを学べた。
  • 他大学のプレゼン能力には圧倒され、自分が2回生、3回生になった時にあのようなプレゼンテーションが出来るような知識や経験を積みたいと思った。

(2)今後の提案

  • 今後の提案として、現地の状況を神戸から伝えていくと言ったが、様々な大学と情報を共有し伝えていくことが必要である。
  • 他大学の活動を把握し、自分たちの活動に生かす。
  • 今後、現地に行く機会が減るのなら尚更、現地の大学との連携が必要になると考える。

神戸学院大学人文学部心理学科1年次生 仙波あゆみ

(1)シンポへ参加して気付いたこと・学んだこと

  • 学校によって活動の分野が違う。現地の方と交流を主にしているところがあれば、環境整備を主にしているところもある。
  • 費用的な面でも、これからの活動をどうするかという課題は共通であるということ。
  • ボランティア休暇を取り入れるかどうかや、単位としてボランティアを認めるかということについて議論がなされていること。
  • ボランティアはのめり込みすぎると、現実の生活に戻って来られなくなる可能性があるということ。

(2)他大学との協力について

  • このような学校同士で活動や課題などを話し合う機会への参加はこれからも続けたい。
  • 学校を通さなくても学生(スタッフ)同士で連絡を取り合えたら良いと思う。

以上