神戸学院大学

東日本大震災等の被災地支援活動

7月13日(金)~7月16日(月・祝) 学生ボランティア派遣 報告書

標記の件、下記のとおり報告いたします。

プログラム名 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催)
日程 2012年7月13日(金)~16日(月・祝) 3泊4日(2泊は車中泊)

行程・内容

7月13日(金)(有瀬キャンパス:KAC)

16:45 KAC151G教室集合後、事前研修会
19:00 KAC15号館前にバス到着、備品等積み込み
19:30 KAC出発。バスにて宮城県へ。最初のSAでは夕食休憩として長めに休憩 その後は途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊―

7月14日(土)

8:30 長町駅ロータリーにて東北福祉大学学生・引率合流
9:30 ミニストップ石巻南境店(石巻市南境字新小堤156-1)駐車場で打合せ
10:00 石巻市の仮設住宅で活動(各集会場に分かれて活動)
活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00)
活動内容:①うちわ作り・茶話会・子どもと遊ぶ、②(第4のみ)ガーデンテーブルへパラソル取り付け・ベンチとテーブルのやすりがけとニス塗り、③(第4のみ)郷土料理はっと作り、④(第5のみ)本棚制作、⑤(第2と第5)城南信用金庫ボランティア主催カラオケに参加
12:00 第4団地にて、はっとやおにぎり(昼食)をご馳走になる
第5団地にて、そうめん(昼食)をご馳走になる
15:00 活動終了、後片付け
16:30 沿岸部視察(門脇地区)
18:30 松島町フットボールセンター
―就寝前に、振り返り、翌日活動打ち合わせ―

7月15日(日)

8:00 宿泊施設出発
9:00 沿岸部視察(閖上地区)
9:30 名取市仮設住宅で活動
活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00)
活動内容:①うちわ作り・茶話会・子どもと遊ぶ、②全戸対象の支援物資配布、③独居高齢者対象の戸別訪問、④ベンチ修繕
12:00 昼食休憩
15:00 活動終了、後片付け
15:40 タクシーにて増田西公民館へ移動
16:00 増田西公民館の研修室にて振り返り
17:00 東北福祉大学生は名取駅にて解散。神戸学院大学生は銭湯へ
17:15 現地の銭湯で入浴
  • スーパー銭湯極楽湯名取店(名取市田高字原463、022-383-1126)
18:30 銭湯を出発、神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊―

7月16日(月・祝)

8:30 KAC帰着 学生、備品等のおろし
9:00 事後研修会(15号館151G教室)
10:00頃 解散

参加者

学生24名 一般申込み9名、ボランティア団体5名、防災・社会貢献ユニット5名
東北福祉大学学生4名、石巻専修大学学生1名(石巻のみ)
引率者3名 中山 学(神戸学院大学 経営学部 准教授)
濵田 真由美(神戸学院大学 社会連携グループ コーディネータ)
髙橋 英彦(東北福祉大学 学生生活支援センターコーディネーター)
現地派遣者1名 四宮千佳子(神戸学院大学 社会連携グループ コーディネータ)

活動詳細

7月13日(金)事前研修会

  • ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
  • 企画学生から活動について説明、ミーティング、その後班ごとに翌日の活動の確認・事前研修後、備品の点検、バスへの積み込み
  • 戸別訪問担当の学生の研修を行う

7月14日(土)石巻市

石巻市仮設住宅 南境団地

石巻市仮設住宅 南境団地付近地図
  • 第1~7団地において、約750世帯の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、様々な地域から集まってできた団地。班長、集会所管理人などが決まり、団地によっては住民主催の交流会が開かれている
うちわ作り・茶話会・子どもと遊ぶ
  • うちわの骨組みに、各々が好きな色の画用紙を貼り付け、折り紙等で模様をつけた
  • 持ち帰ることができるもの、記念になる物づくりは楽しい、というお声をいただいた
ガーデンテーブルへパラソル取り付け、ベンチとテーブルのニス塗り(第4団地のみ)
  • 住民の男性陣が指揮をとり、学生が教えていただきながら、先月制作したガーデンテーブル3台にパラソルを取り付け、またベンチとガーデンテーブルにニスを塗った
  • 木工が苦手な学生も住民から指導を受け、電動ドライバを使いこなせるようになった

木工の様子

本棚制作(第5団地のみ)
  • 第5では、ボランティア活動支援室学生スタッフがミニ図書館「神戸学院ライブラリー」を企画実施している。本の数が増え、本棚が不足していることから、本棚を制作することとなった
  • しかしながら準備が不足していたため、今回の制作は見送ることとなった。早い段階で制作し設置する予定である
本棚制作中
郷土料理はっと、おにぎり作り
  • 郷土料理であるはっと(すいとん)の作り方を教えていただいた
  • 一緒におにぎりを握り、住民・ボランティアがお昼にいただいた
  • 2~3日前から支度をしていただいたことを知り、また住民の方々のお気持ちがとても温かく嬉かった
  • お礼に神戸で焼いてきたクッキーを差し上げたところ、大変喜んでいただくことができた
  • 食後には石巻の盆踊りを教えていただいた(写真①)
はっと、おにぎり
食後には石巻の盆踊りを教わった(写真①)
城南信用金庫ボランティア主催「カラオケ」応援(第2、第5のみ)
  • 隔週で継続的に活動しているカラオケに共に参加した
  • みなさんとても楽しみに参加されていて、歌い踊り、大変盛り上がった。学生も人気アイドルグループの歌を披露させていただいた
沿岸部の視察
  • 活動後に沿岸部の視察を行った(門脇地区)
  • 現地コーディネーター、東北福祉大学の引率から被災状況や当時の様子を説明した
活動終了後の振り返り
  • リーダー・班リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
  • リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
  • 翌日活動の段取り確認を行った

7月15日(土)名取市

沿岸部の視察

  • 活動前に沿岸部の視察を行った(閖上地区)
視察の様子

名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地

名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地付近地図
  • 173世帯、約430名の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、様々な地域から集まってできた団地。自治があり、集会所も活発に活用されている
うちわ作り・茶話会・子どもと遊ぶ
  • 初日の石巻同様、うちわ作り、茶話会、子どもと遊ぶ活動を集会所内で行った
  • あいにくの雨だったが、普段より多くの住民の方が集まってうちわ作りを楽しんでくださった
  • いつもは集会所に顔を出さない方も参加してくださり、他の住民の方も喜んでくださった

うちわ作り

戸別訪問
  • 全戸対象に、支援物資を配布するとともに、集会所でのうちわ作りにお誘いした
  • 独居高齢者世帯を対象に、体調を伺い、力仕事のお手伝いをご提案した
  • 東北福祉大学の学生と神戸学院大学の学生がペアになり、訪問した。方言での会話もできたと住民の方から喜んでいただいた
  • 目や耳が不自由な方もいたが、手話ができる東北福祉大学の学生が対応するなど、臨機応変に支援物資を配布することができた
  • 5月に配布した「ふれあいの水プロジェクト」のメッセージボトルのお礼を言いたかったと言ってくださる住民の方もいた
  • 聞き取り内容は名取市社会福祉協議会へまとめて報告している
社会福祉協議会からレクチャーを受けたのち、打ち合わせ
戸別訪問の様子
ベンチ修繕
  • 昨年制作したベンチの足のネジが緩んできていたため、補強修繕をした
ベンチ修繕の様子
活動終了後の振り返り
  • リーダー指示のもと、前日同様、活動内容ごとに班に分かれ、活動を振り返った
  • うちわを作る際に、冷たいお茶やジュースがなかったため、次回からは冷たい飲み物の準備が必要
  • 1日目、2日目通して備品の準備不足が課題として挙げられた
振り返りの様子
振り返りの様子
集合写真

7月16日(月・祝)事後研修会、活動振り返り

  • 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である

(神戸学院大学 学生)

  • 11月に行ったが、住民の方が前より明るく積極的になっていて良かった。いい経験になった
  • 行く前は緊張していたけど、住民の方に会って話してみると、緊張することはなかった。笑顔をもらえた
  • 住民の方と話して、最初は楽しそうだったが、ふとした時に、人が亡くなった話や、家が流された話をされて、なんて答えていいかわからなかった。本棚の件では、企画学生とうまく連絡がとれなかったこと、自分に責任感がなく任せっきりにしたことを反省している
  • 不安だったが、時間が経つのが早く、あっという間だった。住民の方と積極的に話ができた。準備不足が問題になっているが、自分自身も行くだけだったのが反省点だ。テレビで見ていたのと、全然違った
  • 準備不足だった点に責任を感じている。人に任せきりで責任感がなかったと思う。引き継ぎや連携をきちんとしていきたい。神戸でサポートしているメンバーにも伝え、来月のバスまでにやり直したい
  • 一人ひとりが考えて行動できていた。みんなと活動でつながる楽しさを味わえた
  • 人見知りで不安が大きかった。被災者にもそのことを指摘された。自分としてはそれなりに頑張れたけど、どうだったのかな。いい経験になった
  • 5回目の参加で、今回は特に学生主体の活動だったが、みんな仲良く積極的に活動できた。トラブルもあったが、でもやってよかったし、メンバーを誇らしく思う。今回ダメだったことを、次につなげて、いつか完璧なバスにしたい
  • テレビで見てもっと暗いものを想像していたけど、自分たちが準備不足だったうちわ作りを楽しんでくれた。元気だって思う反面、視察で見た現状を考えると、被災者は頑張って前を向いているんだと思った
  • 10月以来の参加で、学生主体で、一人一人が活動に意欲的なのがすごくいいと思った。名取の自治会長が、仮設から全員が出るのに5年かかると言われていたが、5~6年かかっても、バスを出してもらっている大学に感謝しつつ、もっと活動したいと思う
  • 被災地を初めて見て、こんな広範囲に被害が及んでいることに驚いた。笑顔が見られてよかった
  • 今回は色々なリーダーをしたが、メンバーが積極的であったため統率しやすかった。活動で子どもと関わることが少なかったが、前に会った子が落ち着いて成長しているのを感じて嬉しかった。はっと作りは良かった。東北福祉大学のメンバーも良かった
  • このメンバーで良かった。子どもだけでなく、大人にも覚えてもらっていて、話す機会が多く充実していた。被災者は記憶が風化するのを怖れている。視察で見たこと、活動で経験したことを周囲に伝えて欲しい。それと、継続して活動に参加して欲しい。大学は継続して活動しているが、それが恵まれた環境であることを自覚して活動したい

(東北福祉大学 学生)

  • 2日間神戸学院大学の学生さんと一緒に活動できてよかった。私たち4人を歓迎してくれてうれしかった
  • 神戸学院大学と住民との密な関係がうらやましく感じた・本学のボランティア活動でもこのような振り返りを行う場を設けたい
  • 神戸の活動をみて、考えさせられることが多かった

(神戸学院大学 引率)

  • 引率の難しさを改めて感じた。学生の安全管理もそうだが、活動は学生主体の為、口を出さないことが難しい。自分自身がやりたい気持ちもあるし、学生の自主性を尊重したいが、住民の満足とのバランスが難しい。継続的な活動であるため、次の人に活かせるような引き継ぎをしたい。学生のやる気がないと活動は続けられないので、こうしたいというアイディアを出し合って、みんなで支援を続けたい
  • 学生の自主性に重点を置くことも重要であるが、事前の準備状況のチェック体制および準備の現状把握と情報の共有化に課題が残ったことは否めない事実と受け取るべきと思われる。すなわち、学生のやる気を120%有効にする手だてが欲しいところである
  • 現地での作業中に降雨があり、天候を考慮した工程まで学生に任せるには経験不足と思い、引率者ではあるが、手出しを行ってしまった
  • 今回は初めての人が多かったが、学生の自主性を尊重するために見守りに徹した。東北福祉大学の学生もいい潤滑油になり、和やかな雰囲気で活動できた。継続が大切なので、より一層の質の向上を目指したい。この経験を今後に活かしたい

以上