神戸学院大学

學報ネットアーカイブ

Vol.12 神戸ポートアイランド4大学連携協定書調印式および第15回ポートアイランド4大学実務者会議(拡大)を開催

◆ 神戸ポートアイランド4大学連携協定書調印式および
第15回ポートアイランド4大学実務者会議(拡大)を開催

― 2008年1月29日(火)神戸学院大学 ポートアイランドキャンパスA号館大会議室 ―

2008年1月29日、本学ポートアイランドキャンパスA号館大会議室にて、神戸学院大学、神戸夙川学院大学、神戸女子大学(神戸女子短期大学を含む)、兵庫医療大学の4大学学長によって、「神戸ポートアイランド4大学連携協定」が締結されました。

神戸ポートアイランド4大学連携協定書調印式

新聞社をはじめマスコミ各社が会場に集まるなか、午後4時より、「神戸ポートアイランド4大学連携協定書調印式」が行われました。はじめに、4大学の学長紹介からスタート。それぞれの学長の手元に協定書が運ばれ、各学長が協定書に署名・捺印し無事協定が締結されました。各学長からの挨拶のあと、マスコミ各社から学長への質疑応答へと移行。マスコミからは、「4大学間で特にどのような事柄についての交流に力を注いでいきたいか」「目標に掲げている合同入学試験の実施について実現は可能なのか」といった、今後の4大学のあり方に関する具体的な質問がありました。それらの質問に対しては、「学生同士の交流をもっと活発にしていきたい」「合同公開講座を積極的に開催していきたい」「遠い道のりだが、合同入学試験が実施されれば画期的なことなのでぜひ実現したい」など、それぞれの学長が4大学の将来についての抱負を意欲的に語り、式典は終了しました。

神戸ポートアイランド4大学連携協定書に調印する各学長
神戸ポートアイランド4大学連携協定書に調印する
各学長
調印を終えた4大学の学長
調印を終えた4大学の学長

第15回神戸ポートアイランド4大学実務者会議(拡大)

調印式の後、「第15回ポートアイランド4大学実務者会議」を引き続いて実施
調印式の後、「第15回ポートアイ
ランド4大学実務者会議」を引き
続いて実施
入試広報部会を代表して、本学入学事務グループの若菜稔氏が経過を報告
入試広報部会を代表して、本学入
学事務グループの若菜稔氏が経過
を報告
学長の質問に答える報告者
学長の質問に答える報告者

今回の協定書調印式以前から、4大学間では、それぞれ「入試広報部会」「教務部会」「学生部会」「図書館部会」「エクステンション部会」の5つの部会が立ち上げられ、具体的案件の実現に向けての実務者レベルでの交流が図られてきました。この日実施された会議は15回目にあたり、学長も交えた拡大会議として開催されました。入試広報部会からは、昨年5月に部会主催で開催された高校生のためのイベント「ポーアイ“学び”ライブ」※に関する開催の意義や反省点などを中心に報告されました。教務部会からは、4大学が連携しての単位互換制度実現に向けての現状を中心に報告。学生部会からは4大学合同ボランティア活動からキャンパス内での禁煙措置の有無に至るまでの広範な検討課題について、また、図書館部会からは4大学各図書館における他の3大学学生の利用状況などについて、そして、エクステンション部会からは課外講座の相互利用などの議題を中心に報告が行われました。学長からは、「学長が加わることでスムーズな進行ができるならば、積極的に部会の会議に参加していきたい」との意見も出るなど、次回16回目の会議に向け有意義な報告会議となりました。

学長挨拶

神戸学院大学 岡田 芳男 学長
神戸学院大学
岡田 芳男 学長

素晴らしい“縁”を大切に、力を合わせて地域貢献を

私はこれまで、自身の人生哲学として人との出会いを大切にするということをモットーに人生を歩んでまいりましたが、昨年4月、ここポートアイランドに4大学が隣接して開設されるという素晴らしい出会いを経験することができました。こうした縁を大切にし、4大学が連携していく必要があるということで今回の調印に至ったわけですが、4大学がそれぞれの得意分野を他の大学に提供し、逆に不得意分野に関しては他の大学から提供していただくということで、相互に支え合いながら助け合っていく必要があると思います。1966年に栄養学部約100人の学生数から始まった本学も、今では7学部と大学院、法科大学院で構成され、1万人あまりの学生数を擁する総合大学へと発展しています。そうした大規模な大学になった今でも、本学には、建学の精神である「真理愛好・個性尊重」が脈々と受け継がれています。そうした精神を今後も受け継いで、人材の育成と大学の持つ知的財産の社会への還元という大学の使命を果たし、4大学ともども力を合わせて地域の発展に貢献していきたいと思っています。

神戸夙川学院大学 渡瀬 信之 学長
神戸夙川学院大学
渡瀬 信之 学長

“自前主義”から脱却して、4大学共に発展を目指す

グローバル化の時代の大学においては、大学における人材育成、教育、研究の質の向上が最重要課題となり、もはや、ひとつの大学だけでそれらを全うしようという“自前主義”は通用しなくなってきています。そうした中、資源の活用を積極的に行うため、大学間連携や産官学連携、さらには国際連携など、外部との連携は必然の流れとなってきています。特に、大学間連携においては、立地条件が重要な要素になると思います。4大学が非常に密着した形で存在するということは、相互が保有する資源活用という意味において非常に有利な条件が整っていると言えるのではないでしょうか。
本学は、観光という分野が、人と人、人と文化、人と自然を結びつけるという本質から、そこには無限の可能性が秘められていることに着目し、昨年4月に観光文化学部200名という小所帯ながら、大きな夢を持ってスタートしました。今年、学生が課題を自身で見つけ、その課題の解決の糸口を探っていくという学生プロジェクトを発足させたのですが、その中の1つのテーマがポートアイランドの活性化でした。こうした本学学生のチャレンジを通じて、4大学の学生との連携へとつながり、そうした動きが地域活性化へとつながっていくことを、大いに期待しています。

神戸女子大学 神戸女子短期大学 波田 重煕 学長
神戸女子大学
神戸女子短期大学
波田 重煕 学長

女子大学としての個性・特色を打ち出し、有意義な関係を構築

本学のポートアイランドキャンパスには大学の健康福祉学部と短期大学、須磨キャンパスには大学の文学部と家政学部が、それぞれ分かれて開設されています。職業人を養成する専門分野と、総合的教養教育に基づき学術的な真理の探究を行っていく伝統的な学問分野で構成されている訳ですが、そうした本学の特徴を生かして4大学の連携に貢献してまいりたいと考えています。本日協定が成立したことで、協定書にありますように学生および教職員に有意義な教育と学術交流の機会が与えられることによって連携推進と相互補完が可能となりました。この日をひとつのステップとし、今後も4大学が連携し地域の発展のために最大限の努力をしてまいりたいと考えています。その際、地域貢献という役割が大きくなればなるほど、大学の教育研究という伝統的な役割を見つめ直し、さらに強固にする必要が生じて来ると考えます。
このような考えのもと4大学の連携をさらに深め、本学自身女子大学としての個性や特色を明確に打ち出すことで、ますます有意義な関係が築かれていくという、よりよい循環が生まれて来るのではないかと期待しています。

兵庫医療大学 松田 暉 学長
兵庫医療大学
松田 暉 学長

ボーダレスな交流で4大学、学生、地域を活性化へ

兵庫医療大学は、兵庫医科大学の姉妹校として、昨年4月にこの地に開学しました。医療現場を支える高度な技術を持ち、なおかつ患者の心を理解し社会貢献ができる医療人を養成することを目指して、薬学部・看護学部・リハビリテーション学部の3学部でスタートしたのです。昨今言われておりますように、国を支える根幹となるべき医療の現場において、医師をはじめとして、理学療法士や作業療法士など人々の健康福祉を担う人材が少ないということが問題になっています。医療を支える人材をもっと増やしていくためにも、この4大学の連携は大変重要であると考えます。そのためには、各大学がそれぞれだけで学生を募集するというのではなく、4大学が連携して、コンソーシアム(連合体)のような状態を築き上げ、全国から学生をこの地に呼べるよう、協力し合う必要があります。また、本学では、次世代の医療人を養成するというミッションのなかで、3つの学部、3つの職種がボーダレスに結びつけるような学びを行っています。この“ボーダレス”というキーワードが、4大学の連携の際にもあてはまると思います。単位互換という制度的なことだけでなく、学生たちが大学の壁を越えて自由に交流し合うことができれば、地域も活性化し、もっと元気になっていくのではないでしょうか。